2016年アンプティサッカー日本選手権より
AFCバンブルビー千葉から福田柚稀選手。福田選手は小学校6年生。2015年の24時間テレビ出演や、Panasonicの「Beautiful JAPANキャンペーン」のCM出演でも話題になりました。
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レオピン杯を翌月に控え、選手にとっては大事なタイミングでしたが、FC1TOPとしての活動を大切にするということで、体験者も交えての和気藹々とした練習となりました。
北関東に誕生したアンプティサッカーチーム「FC 1TOP」
FC 1TOPは2016年12月に誕生。埼玉県深谷市で食品輸送を営む「有限会社ケイアイエヌ」の小西社長が、知人からアンプティサッカーのDVDを見せられたことがきっかけでした。この方がチーム代表、小西社長。
その競技性に惚れこんだ社長は、“関東以北にチームが1つ(アシルスフィーダ北海道)しかない”という現状を知り「ならば」とチームの立ち上げを決意。笹山哲選手1人からスタートしたチームが、翌年3月には登録メンバーが4人にまで増え、単独チームとして初練習を行えるまでになりました。スタッフは小西代表取締役社長をはじめ、ケイアイエスの役員の方々が兼務。黒澤勲常務取締役もスタッフの一員。
そして猪野浩専務取締役兼コーチをはじめとして、コーチは3人体制。選手の義足をサポートしている(株)上毛義肢のバックアップもあり、選手たちは安心して競技に打ち込める環境が整っています。
AM10:00、練習開始です!まずは軽く柔軟体操。そしてクラッチの使い方を確認するように、ダッシュ、後ろ向きダッシュ、横向きダッシュ、そして反復運動。すでにヒィヒィ言っている方もいるようですが…?
選手たちは軽快なステップを踏んでいきます。
もちろん練習は選手だけじゃありません。スタッフも同じメニューをこなします!
基礎練習が終わった後は、ボールを使った練習に移ります。選手は対面になり、クラッチの使い方を確認しながら、互いにパスを交換していきます。アンプティサッカーのキャリアでは先輩の福田選手。その福田選手に刺激を受ける野口選手。
実はボールを蹴るシーンを間近で見るのは今日が初めて。体重をクラッチにかけて振り子の要領で蹴りますが、これが難しい!トラップも勢いを殺すのが難しいので、サッカーの基本「止める、蹴る」から難易度の高い競技でもあります。
大会直前とあって気合十分。鋭いシュートを次々と放つ野口選手。
パス交換の後はシュート練習。松田選手がお手本を披露。体のしなり具合がすごい迫力。野口選手は松田選手のシュートをずっと観察していました。
笹山選手も松田選手から指導を仰ぎます。トップアスリートから直接学ぶ貴重な機会。
松田選手は4年前からキャリアをスタート。昨年の日本選手権で初めて出会って以来、笹山選手にとっては先輩でもあり、ライバルでもあり、心強い仲間でもあります。
さてその傍らではGK小俣選手が、コーチの指導を受けながら基礎練習。実はボールを扱うのもこの日が初めてという小俣選手。「ボールが当たると痛いですね」と言いながらも、果敢に向かって行きました。待望のGKとあって、かかる期待も大きい!
猪野浩コーチは遠目からのシュート。
小俣選手は右腕が使えないため、左腕でセービングを練習します。
「しっかりボールを目で捉える!!」…と言っているかは定かではありませんがジェスチャーで熱血指導する原島コーチ(のちの監督代行)。
サッカーボールには慣れないといいつつ、しっかりとセービングしていました。
休憩中にパシャリ。はい、いい笑顔&サムズアップいただきました〜。
1時間ほどで個人練習や基礎練習は終了。残り1時間はお待ちかねのゲーム形式での練習です。クラッチありとなしに分かれ、混成チームを作ります。クラッチありは通常通り、クラッチなしは2タッチまでの制約付き。「パラキートさんも入ってくださいよ」私も笹山選手に促されるまま、クラッチを持たない派で試合に参加させてもらいました!
レオピン杯を意識している選手たちは、エンジョイとはいえ全く手を抜く様子はなく、最初から全力。クラッチに慣れないスタッフたちはついていけません。
そんな和やかな空気の中にあって、コンビネーションを確認する選手たち。笹山、松田両選手は息もピッタリ。ワンツーパスも冴え渡ります。
とにかく選手を止めるのに必死な体験会参加者たち。あちこちから悲鳴と笑い声が響きます。
笹山選手も動きを再確認。そしてレオピン杯本番でその成果が見事に花開きます。
競技人生に残る公式戦初得点は、練習で見せたゴール前での働きによるものでした。
野口選手もこの時点では競技を始めてまだ半年たらず。レオピン杯で公式戦初出場するためには、一秒たりとも無駄には出来ません。
ボールの感触を一つ一つ確かめるようにドリブルの練習を繰り返していました。
福田選手も気持ちがこもります。年の近い友人でライバル、FCアウボラーダ 石井賢選手が公式戦で先に初得点を決めているので、焦りもあるのかもしれません。
華麗に大人たちを交わす福田選手。この日はお母様も外から熱血指導。「ポジションは!?どこにいればいいの?!」かなり激しい檄が飛びます。
スタッフも選手も、誰もが横一線。
FC 1TOPは関東圏の他チームとの交流も盛ん。レオピン杯で合同チームとなったAFCバンブルビー千葉、そしてライバルチームのFCアウボラーダとの合同練習も頻繁に行っており、競技力だけでなく、運営ノウハウの習得も欠かしません。
「チームができたばかりだから、スタッフも選手も横並び。チームがどんな形にしていくかも、皆で手探りで作っていきます。今加入すれば即戦力として公式戦にも出られるし、チームの基礎作りに関わることができる。一番面白いタイミングですね。」と話してくださった黒澤氏。日本選手権ではAFCバンブルビー千葉のスタッフとして関わり、ノウハウを学びました。スタッフも選手も、共に学び、共に強くなっていくのがこのチームの良いところです。
練習にお邪魔した日には新調したチームテントも初お目見えで、燦然と輝くFC1TOPのロゴマークが、誇らしげにたなびいていました。
レオピン杯ではついにチームのユニフォームが初お目見え!
迎えた当日、明暗が分かれたFC1TOPの選手たち。公式戦初デビューとなった野口選手は「試合中ほとんど何もできなかった」とうなだれました。しかし、試合を重ねるごとに急成長していく姿を私はファインダー越しに見守っていました。
調整が合わず、初の公式戦デビューは日本選手権へ持ち越しになった小俣選手は、ルーキー選手が出場するフレッシュマッチで試合を経験。
中野昴洋選手もこの大会では公式戦での出場機会がありませんでした。
陸上競技会へ出場するために今大会を欠場した4#金井選手のユニフォームを着用して、公式戦初出場を果たした中澤正人選手。粘り強い守備で、初の公式戦とは思えない堂々とした戦いぶりでした。
それもそのはず。実はこの中澤選手、車椅子バスケットボールの強豪中の強豪「宮城MAX」のレギュラーで、ロンドンパラリンピック日本代表にも選ばれた方です。5月初旬の内閣総理大臣杯では27番をつけてプレイ。実は私も会場でその姿を目にしていましたが、まさかFC1TOPに所属しているとは思いもよらず。
http://miyagimax.com/team.html
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初めての経験の中で、課題と収穫をそれぞれ手にし、彼らは大会を後にしました。大会では合同チームのため、兄貴分であるAFCバンブルビー千葉のユニフォームに袖を通しましたが、彼らは単独チームとしての出場を目標にしています。
謎に満ちた「FC1TOP」は、向上心とチーム愛に満ちた、素敵なチームでした。近い将来単独チームとして純白のユニフォームで主要大会に出場し、他チームとしのぎを削る彼らの活躍を観たいですね!これからも応援していきたいと思います。FC1TOPの皆さん、ありがとうございました!
FC 1TOPのチーム紹介はこちら!
有限会社ケイアイエヌ(KIN) | 食品輸送のエキスパート
アンプティサッカー、チーム発足! – (株)上毛義肢 - 群馬県の義肢・装具製作
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チームは現在スタッフ・選手を募集中!練習見学も大歓迎です。練習は月1回、毎月第三日曜日 AM10:00〜(時間は変更になる可能性があります)ホームグラウンド:花園フットサルクラブ・エフスリー
フットサルクラブ エフスリー 花園 フットサルコート |F3 花園、寄居、秩父、深谷 フットサル
チームへの問い合わせ先は下記のURLをご覧ください!有限会社ケイアイエヌ(KIN) | 食品輸送のエキスパート
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