いよいよ順位決定!〜第4回レオピンカップ観戦記⑦

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いよいよ残り3試合で最終順位が確定!

準決勝2試合が終わり、順位決定戦の組み合わせが決まりました。残りは3試合。激闘が繰り広げられた準決勝第二試合の余韻も冷めやらぬうちに、5,6位決定戦アフィーレ広島vs合同チーム②の試合が行われます。日本選手権ではガネーシャ静岡&アフィーレ広島の合同チームとなり、TSA FCは単独チームとしてエントリーしましたが、今回はアフィーレ広島が単独チームとして出場。お互いに勝手知ったる相手どうしです。FCアウボラーダに対してチーム初得点を上げ、勢いに乗る合同チーム②。対するアフィーレ広島も、次につながる一勝を上げて気持ちよく大会を終えたいところ。

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前半

合同チーム②は48#柴田選手をはじめとして、31#渡辺、33#朝野、30#香川選手のコンビネーションで攻めます。予選リーグで個の力を見せつけた15#若杉選手は低い位置にいて、どちらかというとディフェンシブ。戦術を大きく変えてきたように見えます。48#柴田選手と31#渡辺選手はパス交換でチャンスを作り、こぼれたところを30#香川選手が押し込みにかかります。

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31#渡辺、48#柴田選手との連携で惜しいシーンを作り出します。

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セットプレイは33#朝野選手が担当。

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そしてカウンターに対しては15#若杉、30#小嶋選手が事前に攻撃の芽を摘み取ります。

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対するアフィーレ広島の攻撃の中心は11#天川選手。鋭い突破力は変わらず脅威です。攻撃の要である11#天川選手が守備に忙殺され、持ち味を消されてしまった予選リーグの反省を踏まえてか、11#天川選手はほとんど上がりっ放し。

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前線に張る11#天川選手に、6#片岡、22#斎藤、3#石見選手が絡みながら攻撃を作っていきます。

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前半7分、合同チーム②の戦術が見事にはまります。15#若杉選手を自陣深くに残し、複数のメンバーで攻め上がる合同チーム②に対し、守備に人数を割いたアフィーレ広島。しかしそれが15#若杉選手に、自由なスペースを与える結果に。

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自陣からドリブルで持ち込むと、勢いそのままにトゥキックで意表をつくミドルシュート。ボールは密集したアフィーレDF陣を飛び越え、GK77#小澤選手の手も届かないライナーを描いてゴールへ。

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目の覚めるような先制劇、決めたのはやはりキャプテン15#若杉選手でした。ここぞというところできっちりと仕事を遂行する、チームの大黒柱です。

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先制を許したアフィーレ広島でしたが、給水タイムを経て、徐々にボール保持率が上がります。9#角選手がインターセプトし、交代で入った7#奈良原選手につなぎ、高い決定力をもつ11#天川選手へボールを集めます。

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しかし11#天川選手は15#若杉選手からの厳しいマンマークに晒され、悪戦苦闘。

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無理にシュートを放つものの不発のまま、天を仰ぐ11#天川選手。

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試合はこのまま前半が終了。合同チーム②が1点先行で折り返します。

後半

後半は7#奈良原選手が前線に張り、トップで厳しくマークされた11#天川選手を中盤に下げるアフィーレ広島。GK1#梅原選手の守備もあって7#奈良原選手にボールが収まらず、序盤のチャンスは22#斎藤選手からの落としを受けた9#角選手のミドルシュートのみ。

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後半5分、合同チーム②のゴールキックを自陣で受けた15#若杉選手は、そのままスルスルと敵陣へドリブル。アフィーレ広島は3選手が前線で戻りきれず、数的にも不利な状況を作ってしまいます。15#若杉選手は再びコントロールキックで難なく追加点。

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念願の初勝利が見え始め、盛り上がる合同チーム②ベンチ。

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2点を追いかけることになったアフィーレ広島ですが、チャンスを作ったのは後半10分。左サイドの9#角選手からのセンタリングを3#石見選手がドンピシャ合わせますが、サイドバーに弾かれます。

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合同チーム②は前半と同じく守備に高い集中力を保ったまま。15#若杉選手も、11#天川選手にぴったりと張り付きます。

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焦るアフィーレ広島は、後半15分、22#斎藤選手がフリーキックを得るもゴールを外れます。17分にも、11#天川選手のフリーキック22#斎藤選手がボレーで合わせますがジャストミートできず。

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スタミナが切れ始めた合同チーム②もフィニッシュの精度を欠き、スコアは動かないまま終戦。この結果、合同チーム②は5位、アフィーレ広島は6位が確定しました。

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公式戦初勝利を目指して挑んだ合同チーム②は、この勝利で確かな手応えをつかみました。ガネーシャ静岡AFCの緑のユニフォームを着て今大会を戦い通したメンバー。その右腕には「TSA FC」のエンブレムが。合同チームとしてではなく、一つのチームとして戦い続けた彼らにとって、数字以上に価値のある、大きな一勝だったはずです。

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一方で今大会0得点に終わったアフィーレ広島も、厳しい結果ながらも魅力的なプレーが随所にありました。日本選手権では合同チームとして共に戦ったガネーシャ静岡AFCに対して喫した悔しい敗戦は、必ずチームの成長の起爆剤になることでしょう。次に両者が顔を合わせるのは11月。それまでの間に、どうチームが変わっていくのか、これからも目が離せません。

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この試合、アフィーレ広島AFCでパラキートの印象に残った選手は22#斎藤選手。11#天川選手が苦戦する中、攻守にわたってバランスよく動き続けました。合同チーム②からのMPPは、2得点を記録し、11#天川選手を一試合通して封じ続けた15#若杉選手です。3試合とも15#若杉選手を選出していますが、決して他の選手が劣っているということではなく、チームの柱として圧倒的な存在感を放っていたからです。

九州バイラオールvs合同チーム①、3_4位決定戦の行方は。

PK戦の末にFCアウボラーダに敗れ、3,4位決定戦に回った九州バイラオール。相対するは前回優勝の九州バイラオール撃破を目指す合同チーム①。

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前日の怪我で2日目の離脱を余儀なくされた44#松田選手も、ベンチで行く末を見守ります。

前半

試合を重ねるごとに個々の積極性が増す合同チーム①。九州バイラオールのキックオフで始まった試合は、ボールを奪い前線まで持ち上がった63#前澤選手がファーストシュート。

f:id:okina_monkparakeet:20170622005701j:plain開始早々8#上中選手と交代した10#萱島選手も、負けじとシュートを狙いに行きますが、9#後藤選手がカットします。

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縦に速い九州バイラオールの攻めに対し、堅実につないでチャンスを作ろうとする合同チーム①。前線の選手たちも初戦に比べて連携が良くなり、10分経過時点で両者ほぼ互角。しかし給水タイムの直後に落とし穴が待っていました。

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試合再開後、9#後藤選手をかわして前線へ抜け出した7#加藤選手が、9#野間口選手との連携から鮮やかなチップキックで先制。良いゲーム運びをしていた合同チーム①、ここで先制点を許してしまいます。

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7#加藤選手からのパスをいいところへ落とす9#野間口選手。

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再びそのボールを受け、そしてシュートを放つ7#加藤選手!鮮やかな先制点!

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追いつきたい合同チーム①ですが、先制点は九州バイラオールを勢いづかせました。連動性で勝る九州バイラオールは、10#萱島選手の機動力でボールを奪い、9#野間口、7#加藤選手が無駄のない動きで合同チーム①を追い詰めていきます。

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しかし12#GK前田選手は懸命のセーブで失点を抑えます。

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前半13分には3人による崩しから7#加藤選手のシュート。これはゴールポストを叩きますが、徐々に九州バイラオールのペースへ。

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一方の合同チーム①も、11#根本選手のセットプレイと10#古城選手の突破で打開を図りますが、チャンスを作れず。10#古城選手がヘディングを試みる場面も。

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45#野口選手もゴールを狙います。

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前線の動きにもう一工夫あれば…そんなシーンが多かった前半は、1-0で九州バイラオールがリードしたままハーフタイムへ。

後半後半は一段と九州バイラオールのペースに。セカンドボールを支配する九州バイラオールは、9#野間口、7#加藤選手が二人で崩しながらシュートを放ちます。GK12#前田選手が横っ飛びでゴールを守りますが、守備陣は自陣に釘付け状態に。

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頼みの綱の50#笹山、45#野口選手にはなかなかボールが渡らず、チャンスが作れない合同チーム①。10#古城選手は自陣深くに下がり、攻撃が鳴りを潜めます。

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そして後半8分、10#萱島選手を起点として、DF3人とGKを十分ひきつけた7#加藤選手からフリーの11#星川選手へボールが渡り、追加点。

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2点ビハインドを負った合同チーム①は、63#前澤選手をベンチに下げ、8#根本選手を再びピッチへ。引き気味だった10#古城選手が前線に上がり攻撃が活性化し始めます。

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数分後、再び63#前澤選手がピッチに入ると、50#笹山選手の献身的なチェイスもあり、勢いを取り戻した合同チーム①はチャンスを作り始めます。

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…が、時すでに遅し。

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最後には13#秋田選手を投入し、再び攻め立てる九州バイラオールに押し切られる形で、タイムアップの笛を聞きました。

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九州バイラオールは意地の3位。一方の合同チーム①は4位という結果で今大会を終えることになりました。苦しい試合の多かった合同チーム①ですが、3試合を通して連携も上がりました。何より、新戦力が強豪チーム相手に堂々と渡り合い、たくましさを備えたことが収穫と言えるでしょう。

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九州バイラオールは3位という結果。不本意な成績だったことは否めませんが、厳しい台所事情のなかで底力を見せつけました。

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長く続く2強時代に魔がさす形になりましたが、逆境を経験したチームは強い。11月の日本選手権では強さを取り戻した姿が見られるでしょう。

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パラキートがMPPに選んだのは、FC九州バイラオール3#前島宗平選手。初出場にもかかわらず今大会を通してチームを大声で鼓舞し、会場全体を盛り上げてくれました。彼のような選手の存在が日本のアンプティサッカー界をよりエキサイティングにしてくれるに違いありません。合同チーム①ではキャプテン8#根本選手。やはりこの選手がいなくてはチームは機能しません。この試合でも、危ないプレーも厭わず率先する姿を見せることで、チームを萎縮させませんでした。

さあ、3〜6位までの順位が確定し、残すはいよいよ決勝のみ。今大会の王者を決める運命の試合は、このあとすぐです!!

⑧へ続く

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「パラキートのパラスポーツ日記」では、一人の障害者サッカーファン「パラキート」が自分の脚でおもむき、自分の目で観て、自分の耳で捉え、自分の指で撮り、自分の頭で考えたママを発信していきます。

記事を通して、競技を取り巻く人・環境・社会問題に触れ、この魅力的な世界に関心を寄せ、寄り添ってくださる方が増えることを願っています。

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『"Pick"=掴み取る、選ぶ」と「"Phat"=格好いい、イカした』を組み合わせた造語を屋号に掲げる「PickPhat」。クライアントの意思を尊重し、選び抜いてイカしたサイトをクライアントと共に作り上げます。代表の加藤高明氏は電動車椅子サッカーチーム「Yokohama BayDream」の選手としても活躍中。

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