リーグ戦終了!〜第4回レオピンカップ観戦記④

  • アンプティサッカー

1日目最後の試合は合同チーム同士の対戦

予選リーグ最後を飾るのは、合同チーム①(千葉・北海道・埼玉)と②(静岡・神奈川)の合同チーム対戦。互いに1敗同士の顔合わせで、どちらかが準決勝へ進みます。

f:id:okina_monkparakeet:20170524225853j:plain

試合は序盤から会場を沸かせます。笛と同時に10#古城選手が突破を試み、それを15#若杉選手が引き倒す。重量級同士の迫力あるマッチアップで火ぶたが切られました。

f:id:okina_monkparakeet:20170526105636j:plain

続くキャプテン8#根本選手の絶妙なFKは、走りこむ10#古城選手に惜しくも合わず。

f:id:okina_monkparakeet:20170526124347j:plain

対する合同チーム②も、リスタートを15#若杉選手が自陣深くから48#柴田選手へロングフィード。8#根本選手ディフェンスを振り切り、タッチライン際でしっかり堪えた48#柴田選手は、中央に走り込んでいた34#田村選手の足元へ。しかし放たれたシュートは枠外に消えていきます。

f:id:okina_monkparakeet:20170526112059j:plain

前半7分には10#古城選手が右サイドを駆け上がり、中央に切れ込んでシュート。また63#前澤選手が起点となり、10#古城選手、50#笹山選手へパスを入れますが、35#香川選手の身体を張った守備でこれを阻止。

f:id:okina_monkparakeet:20170526113947j:plain
f:id:okina_monkparakeet:20170526125444j:plain

自陣左サイドからの8#根本選手からのキックインは、正確な弧を描いて10#古城選手の元へ。ダイレクトで合わせたシュートは1#梅原選手が気迫で弾きます。

f:id:okina_monkparakeet:20170526123758j:plain

合同チーム②も負けてはいません。前半12分には15#若杉選手がドリブル突破でCKを獲得、前半14分には敵陣深くまで入り込んだ48#柴田選手のあわやのラストパス。しかしそのクリアボールを拾った前線の10#古城選手が35#香川選手との競り合いを制し、ゴール前へグラウンダーのクロスを流し込みます。

f:id:okina_monkparakeet:20170526111827j:plain
f:id:okina_monkparakeet:20170526131234j:plain

手を伸ばすGK1#梅原選手と33#朝野選手の目の前をかすめ転がるボール。そしてその先にいたのは、前線で機会を窺い続けた50#笹山選手でした。慎重に放ったシュートは、あやまたずゴールへ!先制点は合同チーム①!!

f:id:okina_monkparakeet:20170526111421j:plain

競技を始めて11ヶ月目。公式戦で初ゴールを記録した10#笹山選手。FC ONETOPに新しい歴史を刻んだ10#笹山選手は、噛みしめるように何度も両クラッチを天に突き上げます。

f:id:okina_monkparakeet:20170526104004j:plain

動画もあげちゃう。

f:id:okina_monkparakeet:20170526124805g:plain

この失点に合同チーム②は奮起。キックオフ直後、こぼれ球を拾った15#若杉選手は得意のドリブルで突進。お返しとばかりに強烈ミドルシュートを放ちます。GK#12前田選手は不意を突かれ、あわや後逸かというピンチに。

f:id:okina_monkparakeet:20170526104238j:plain

その後も48#柴田選手と15#若杉選手の連携を見せますが、フィニッシュまでいけません。前半終了間際、8#根本選手が絶妙なキックインをGK手前の嫌な位置へ落とすと、弾かれたボールを50#笹山選手が落とし、10#古城選手が身体をひねってシュート。しかしこのボールはゴールを越えていきます。

f:id:okina_monkparakeet:20170526112307j:plain

合同チーム②も、48#柴田選手の鋭いクロスが飛び出すなど惜しいシーンを作り出しますが、ここで前半終了。互いに見せ場の多い、息をもつかせぬ好ゲームとなりました。

後半

同点に追いつきたい合同チーム②は、開始直後の合同チーム①のセットプレーをしのぐと、15#若杉選手から35#香川選手とつないで、最後は33#朝野選手のシュート。しかしこれは枠を捉えません。その後FKを獲得するなど、積極的に攻めます。

f:id:okina_monkparakeet:20170526140222j:plain

すると今度は合同チーム①が反撃。8#根本選手からゴール前の10#古城選手にボールが渡ると、張り付いていた31#渡辺選手を吹っ飛ばし63#前澤選手へ。その折り返しを45#野口選手が蹴りこみますが決められず。10#古城選手のキックインも、44#松田選手がダイビングボレーを狙いますが合わせられません。

f:id:okina_monkparakeet:20170526134752j:plain

しかし畳み掛けるような攻撃が功を奏します。後半4分、44#松田選手の鋭いキックインが31#渡辺選手の体に当たり痛恨のオウンゴール。合同チーム①が2点差とします。

f:id:okina_monkparakeet:20170526135641j:plain

なんとか食らいつきたい合同チーム②は、15#若杉選手がボールを奪い前線へ。30#小嶋選手がシュートするも、守備陣に阻まれます。

f:id:okina_monkparakeet:20170526134157j:plain

合同チーム①の連続CKを凌いだ後半12分には、15#若杉選手が惜しいFK。するとその直後には15#若杉選手からのパスを50#小嶋選手が折り返し、31#渡辺選手がシュート!しかし25#前田選手、懸命のセービングを見せます。

f:id:okina_monkparakeet:20170526134256j:plain

ここから試合が少しずつ荒っぽくなっていきます。

f:id:okina_monkparakeet:20170527004103j:plain
f:id:okina_monkparakeet:20170526132646j:plain
f:id:okina_monkparakeet:20170526132704j:plain

15#若杉選手と10#古城選手が激しく接触し、タンカで運び出される一幕も。

f:id:okina_monkparakeet:20170526132438j:plain

その後も一進一退を繰り返します。後半15分、44#松田選手の放ったCKを走り込んだ10#古城選手がシュートしますが、ボールはクロスバーに当たって跳ね返り、無情にもゴールの外へ。一瞬入ったかに見えただけに、悔しさをあらわにする10#古城選手。

互いに打ち合いの様相を呈していた後半終了間際でした。左サイドでボールを受けた10#古城選手がDFを振り切り、GK1#梅原選手との1VS1を制してシュート。

f:id:okina_monkparakeet:20170526132049j:plain
f:id:okina_monkparakeet:20170526135457j:plain

引き倒され、ブロックされ続けて溜まっていた鬱憤をここで一気に清算した10#古城選手。勝負は決しました。とにかく見せ場の多い最終戦、これぞアンプティサッカーというようなシーンが随所に見られる好ゲームとなりました。準決勝へ進んだのは合同チーム①、敗れた合同チーム②は5・6位決定戦でアフィーレ広島AFCとの対戦です。

f:id:okina_monkparakeet:20170526141110j:plain
f:id:okina_monkparakeet:20170526140901j:plainこの試合で印象に残ったのは合同チーム①では10#古城選手。合同チーム②ではやはり15#若杉選手でした。10#古城選手は八面六臂の活躍でチャンスを演出し、1G1Aでチームを勝利に導きました。15#若杉選手は1戦目に続くMPP選出。チーム一丸で奮闘しましたが、15#若杉選手はダントツの存在感でした。予選リーグ6試合が全て終了し、順位決定戦の組み合わせが確定しました。決戦は翌日。ここからはノックダウン方式で、さらに試合が白熱するのは間違いありません!

未来のアンプティフットボーラー集う!フレッシュマッチ開催!

予選リーグ終了後、今大会でアンプティサッカーデビューを飾った選手や小・中学生の選手、出場機会の与えられなかった控えメンバーによるフレッシュマッチが開催されました。若手や新人の育成に積極的なアンプティサッカーならではのエキシビションマッチ。あと5年、10年後には、ここに立っている選手たちが主力としてチームを率いる時代が来ます。言わば原石だらけのフィールドが、目の前に広がっていました。

f:id:okina_monkparakeet:20170526142558j:plain

昨年のレオピン杯ではFCアウボラーダの7#石井賢選手が最年少得点、FC九州バイラオールの13#秋田真弓選手が女性としての初得点をあげ、今年はFCアウボラーダの9#秋葉海人選手が初の得点を記録するなど、レオピン杯はニューヒーローが誕生する大会でもあります。

f:id:okina_monkparakeet:20170526142546j:plain
f:id:okina_monkparakeet:20170526142603j:plain

FC ONETOPGK小俣雄揮選手。日本選手権ではゴールマウスを守っているはずです。

f:id:okina_monkparakeet:20170526142606j:plain

昨年のレオピンカップで女性選手として初の得点をあげたFC九州バイラオールの秋田真弓選手。

f:id:okina_monkparakeet:20170526142605j:plain

ガネーシャ静岡AFC奥光洋選手は笑顔でボールを追いかけていました。

f:id:okina_monkparakeet:20170526142533j:plain

FCアウボラーダ今野浩選手とAFCバンブルビー千葉の佐藤直美選手のマッチアップ。

f:id:okina_monkparakeet:20170526142536j:plain

FC ONETOP中野昴洋選手とバンブルビー千葉の福田柚稀選手のマッチアップ。

f:id:okina_monkparakeet:20170526142541j:plain

予選リーグでは出場は叶いませんでしたが、バンブルビー千葉所属の福田柚稀選手はフレッシュマッチで得点を記録。先の成長を期待させる堂々たるプレイっぷりでした。

f:id:okina_monkparakeet:20170526142610j:plain
f:id:okina_monkparakeet:20170526144125j:plain
f:id:okina_monkparakeet:20170526142547j:plain

和気藹々とした中に、真剣に競技に打ち込む選手たちの姿がありました。まだ幼い選手たちもたくさんいますが、彼らがどのような成長を見せていくのか、真剣にボールを追いかけていく姿に、今後のアンプティサッカー界の明るい未来が見えたような気がしました。

⑤へ続く

—————————————————————————————————–

 ※画像の無断掲載、無断引用を一切禁じます。

パラキートのパラスポーツ日記とは

「パラキートのパラスポーツ日記」では、一人の障害者サッカーファン「パラキート」が自分の脚でおもむき、自分の目で観て、自分の耳で捉え、自分の指で撮り、自分の頭で考えたママを発信していきます。

記事を通して、競技を取り巻く人・環境・社会問題に触れ、この魅力的な世界に関心を寄せ、寄り添ってくださる方が増えることを願っています。

プログラム制作・HP管理/「PickPhat(ピックファット)」

『"Pick"=掴み取る、選ぶ」と「"Phat"=格好いい、イカした』を組み合わせた造語を屋号に掲げる「PickPhat」。クライアントの意思を尊重し、選び抜いてイカしたサイトをクライアントと共に作り上げます。代表の加藤高明氏は電動車椅子サッカーチーム「Yokohama BayDream」の選手としても活躍中。

記事カテゴリーの見方

ひ と
サッカーを通じて出会った「ひと」を紹介します
サッカーの現場から
サッカーと社会活動などについて紹介します
大会レビュー
大会の観戦レビューをまとめています
クラブ探訪
クラブチームの練習見学や体験会をまとめています