- アンプティサッカー
「けんちゃん〜amputee boy〜 鳥飼祥恵写真展」にお邪魔しました!
少し日が経ってしまいましたが、先日あるカメラマンさんの個展へお伺いしてきました。
町田フォトサロンで開催されている「けんちゃん〜amputee boy 鳥飼祥恵写真展」。
撮影したのは鳥飼祥恵さん。アンプティサッカーチーム「FCアウボラーダ」で
長くチームを撮影し続けているカメラマンさんです。
実は鳥飼さんのことは以前からFCアウボラーダのHPを通して知っていたのですが、
今回は初めて作品を見る新鮮さを大事にしようと思い、あえて前知識を入れず会場へ向かいました。
2014年からアンプティサッカーの撮影を始め、2015年から取り組み始めた一連の作品群、
「amputee boy〜けんちゃん」で第11回名取洋之助写真賞(日本写真家協会主催)を受賞。
今回はその「amputee boy〜けんちゃん」から、新たに作品をセレクトしています。
「けんちゃん」とは、FCアウボラーダに所属する7#石井賢選手のこと。
小学生プレイヤーでありながら日本選手権やレオピン杯にも出場し、戦力としてはもちろん、
ムードメーカーとしてもチームにとって欠かせない存在です。
私は日本選手権ではそのプレイを見ることができませんでしたが、
以前からとても気になっていた選手の一人でもあります。
「けんちゃん」こと石井賢選手。以前、神奈川新聞で特集されたこともあります。
(その時の記事を書いたのはなんと、我がFCぽるとの佐藤監督)。
そんな石井選手を、女性ならではの感性でファインダー越しに撮り続けている鳥飼さん。
チームカメラマンとして迫力のある写真を撮影しながらも、試合や練習の合間に選手が見せる表情を、
情感豊かに切り取っています。
小学生である石井選手の、人生で今しか見ることのできないみずみずしい姿。
それを女性として、そして母親のような視点で記録し続けている鳥飼さんの写真は、
スポーツ撮影を始めて間もない自分にとってとても心動かされるものばかりでした。
鳥飼さんの作品からは、チームのメンバーとしてという距離感以上に、家族のような距離感を感じます。
チームとともに、泣き、笑い、喜び、怒る。
傍観者として見つめるのではなく、チームの“感情に寄り添う”。
それは想像以上に難しいことで、誰でもできることではありません。
なぜなら、人間は傍観する人に対して自分の内面をさらけ出すことはないからです。
負けて悔しくても「応援ありがとうございました」「次に向かって進むだけです」
と言葉にするのがアスリート。
家族でもなければ、その言葉の裏にある悲しさや悔しさは見せることはありません。
私もこのブログを始めてから、競技を俯瞰で見るだけではその競技の魅力や選手の心情を
伝えることはできないと考えて、チームに所属したり、選手と個人的に交流をしたりして、
少しずつ距離を縮めようと考えてきました。そしてその考えの浅はかさを日々痛感しています。
作品を拝見しながら頭をよぎったのは、自分は「『障害者スポーツ』と、そこに集う『人』に対して、
“寄り添う”ことが果たしてできるのか」ということ。
誰に対して、何のためにブログを続けるのか。自戒の念を噛みしめるパラキートなのでした。
みなさんも是非是非、会場へ足を運んでください!
アンプティサッカー体験会に参加!
企画展初日は「トークセッション」「体験会」が行われたのですが、
トークセッションは残念ながら間に合わず。
そのあとに行われた「体験会」に参加させていただきました。
昨年10月のアンプティサッカー日本選手権大会は、アンプティサッカーをまだ
見たことがなかったにもかかわらず、勢いで観戦。一目でファンになってしまったわけですが、
アンプティサッカー体験は実は初めて。
最初は気後れして写真を撮るばかりでしたが、やっぱりボールを見ると蹴りたくなるもので…
思い切って参加することに。
フォトサロンの隣の敷地を使い、クラッチの使い方やボールの蹴り方を指導。
アンプティサッカーに興味を持つ方だけでなく、写真が趣味の方も参加して、
年初の肌寒い中にもかかわらず、とても和やかな空気に包まれていました。
体験会には石井賢選手の他に、日本選手権で見たFCアウボラーダの選手・スタッフや、
日本アンプティサッカー協会のスタッフも参加。10月の興奮が思い出されます。
2#新井選手。
そう、日本選手権決勝でフル出場し、九州バイラオールの攻撃陣の前に立ちはだかり続け、
得点に絡むなど、獅子奮迅の活躍を見せてチームを優勝に導いたあの選手です。
ミーハーな私は緊張しっぱなし。
15#東出選手の姿もありました。
実は私の準備不足で、体験会の詳細やクラッチなどの器具について撮影できませんでした。
なので、競技の詳しい解説は別の機会でお伝えするとして、ここでは和やかな雰囲気を感じてください。
小さなお子さんも参加。そしてアマチュアカメラマンのかたも参加していました。
色とりどりのクラッチ。かっこよかったです!
持ってみると、全体重を支えるにはちょっと心細くなるくらいの軽さ。
でもその軽さが、試合中の俊敏さを生み出しています。選手にとってまさに体の一部。
クラッチを軸として、その場で180度回転したり、シザースフェイントのような軽快な
動きを、新井選手がデモンストレーションをしてくださいました。
試合中では絶対に目で追えないほど、一瞬の動きです。
次の機会では、是非ボールをもっての一対一をお願いしたい!
全速力で走りきった参加者のかた。一歩も動けません…。
実は私も、ほんの少しだけクラッチを使わせていただいただけなのに、
二の腕が張っていたのは内緒です…。
手前味噌ですが、嬉しかったのはFCアウボラーダのスタッフの皆さんがパラキート
ブログを読んでくださっていたこと。
新井選手に「実はブログを書いてまして…」と話したら、「あ、あのブログの?!」と
スタッフの皆さんに紹介してくださいました。
ブログ自体まだ書き始めで、書きたいことを好き勝手に書いていただけに赤面でしたが、
喜んでいただけたようで本当に嬉しかったですね。
写真展で思った「誰に対して、何のためにブログを続けるのか」の問いに、
答えのヒントをいただいたような、そんな感じ。
一方で、今後は恥ずかしい記事は書けないなあ…そんなプレッシャーも同時に
受けたりして、一人鼻息を荒くしていました。
また、twitterで以前からやり取りさせていただいていた方ともご対面することができ、
つながりができたことも嬉しいことでした。
そして鳥飼さんともお話をさせていただくことができました。
本当は皆さんともっといろいろお伺いしてみたかったことが山のようにあったのですが、
またの機会に…。
最後は記念写真にご一緒させていただき、短い時間ながらも楽しいひと時を
過ごさせていただきました。
(自分のカメラでも撮影をお願いすれば良かったんですが緊張して忘れてました)
会場には、なでしこジャパンの宇津木瑠美選手もいらしていて驚いたのですが、
宇津木選手は以前から障害者サッカーの支援を行っていて、電動車椅子サッカーでも
試乗されていたようです。
元Jリーガーや現役のサッカー選手がこうして積極的にイベントに関わっていくことは
本当に大きな力になるんですよね。
さて、体験会は初日だけですが、写真展は2月19日(日)まで開催されています。
サッカー好きの方も障害者スポーツに携わっている方も写真好きの方も、
素晴らしい作品の数々を是非ご覧になってください。
プレイや試合結果など表層では感じ取ることができない、「スポーツのココロ」
みたいなものにきっとみなさんも触れることができると思いますよ。
最後になりますが、FCアウボラーダの皆様、日本アンプティサッカー協会の皆様、
そのほかスタッフの皆様、ありがとうございました!!
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けんちゃん〜amputee boy〜 鳥飼祥恵写真展
会期:2017年1月14日(土)〜2017年2月19日(日)火曜日休館
開館時間:AM9:30〜PM4:30(入館は16:00まで)
入場無料
会場:町田フォトサロン2階展示室
「本町田経由鶴川駅行き」もしくは「本町田経由野津田車庫行き」で、
最寄りは「薬師池」または「薬師ヶ丘」下車(所要15分程度)、
バス停より徒歩5分(薬師公園内に施設があります)。
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FCアウボラーダは定期的に練習や体験会を行っています。
ご興味がある方は是非、お問い合わせの上参加してみてください。
パラキートブログでも、練習や体験会をレポートしてみたいと思っています。
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(了)