※注意:この記事は2018年12月に公開したものを再構成し直したものです。
ソーシャルフットボール初の試み。新しい歴史の幕上がる
快晴に恵まれた11月中旬、慌ただしく会場設営が進む帝京科学大学4Fアリーナの窓下には、秋空を水面に写す隅田川の青々とした流れが広がっていました。
「第1回ソーシャルフットボール地域選抜選手権大会」。東北・関東・甲信越北陸・東海・関西・中国・四国・九州、8つの地域で結成された地域選抜チームの頂点を決めるという、初めての試みが行われようとしていました。
全ての人に開かれた大会を目指して
ソーシャルフットボール全国大会は、クラブチーム対抗形式で過去に2回開催されています。パラキート所属の「FC PORT」も第2回大会で準優勝。
しかしソーシャルフットボールのチーム全てが定期的に活動ができるわけではありません。活動が低調な地域は地域予選すら出場できないチームもザラです。今大会の「地域選抜」形式は、そんな「チャンスに恵まれない地域の選手にも全国の頂点を目指す機会を与えたい」という想いから生まれ、こうして8つの地域からフレッシュな顔ぶれが集いました。
会場には台湾の精神障がい者フットサルの関係者が来賓。アジアの関心の高さが伺えます。
そしてソーシャルフットボール日本代表監督、奥田亘氏の姿もありました。
AM9:00開会式が始まりました。今期から役員が刷新された日本ソーシャルフットボール協会。開会の挨拶に立つのは、新しく理事長に就任した佐々毅氏です。
佐々氏の激励の言葉に耳を傾ける選手たちは、皆一様に緊張した面持ち。
関東選抜のGK1#原田洋行選手の宣誓は、新しい歴史の幕開けを伝える号砲のよう。
開会式を終え、ウォーミングアップのために一斉に散っていく選手たち。2日間に渡る闘いが始まりました。
それぞれ想いを抱いて大会に臨んだ8チーム
予選リーグは4チーム毎2グループに分かれて争われます。過去大会では常に実力上位にいる関東勢。今大会ではその関東選抜と、ライバルである関西選抜が同組になるという組み合わせにも注目が集まります。
予選グループA
予選グループB
東北選抜(愛称:グランゼーレ東北)青森、宮城、岩手の3県から選手が集まって結成された東北選抜。合同練習ができないまま大会に挑むことになりましたが、連携の良さは出場チーム随一。長く指導を続けている北海道からのスタッフも合流し、結束も上がっています。
関東選抜埼玉、東京、千葉、神奈川の4県からセレクションを経て結成されたのが関東選抜。ソーシャルフットボール日本代表選手も多数顔を揃えた優勝候補筆頭。ですがセレクションも含め練習は3回のみと、練習回数には不安が残ります。
甲信越北陸選抜山梨県で活動するアトムズ甲府・アレグラッソ甲州の2チームをベースに、長野県の選手も加えたチーム。主要大会に出場するのは今回が初めてというメンバーばかりのチームは、Jクラブのヴァンフォーレ甲府の後押しを受け、大会に臨みます。
東海選抜静岡・愛知・岐阜・三重の4県からなる東海選抜。特に愛知県は選手層が厚く、セレクションを経て選手が選抜されました。地域選抜大会をきっかけに交流が深まり、連携は申し分なし。関東、関西と肩を並べる第3の勢力として出場しました。
関西選抜(愛称:関西セレソン)8チームの中で、一番準備に余念のなかった関西選抜。選手たちは優勝だけを目標に練習試合を重ね、準備を進めてきました。ホームとアウェイ、2種類のユニフォームを用意した所に、想いの強さを感じます。
中国選抜鳥取、広島の2県から構成されたチーム。7月の西日本豪雨災害により参加を辞退した岡山県の選手たちの想いを胸に秘めて、今大会に臨みました。