- サッカーの現場から
関東大会プレ大会「フットサルwithさぽーたーずカップ」
今年3月3日、埼玉県春日部市の総合体育館「ウィングハット春日部」にて開催された「フットサルwithさぽーたーずカップ(サルさぽカップ)in春日部」に、パラキートも参加してきたのでその様子をレビュー!大会の様子を通して、迫る関東大会のイメージを膨らませてみましょう。
当初、同日に予定されていた「ソーシャルフットボール関東大会2018」が、大会のレギュレーション変更に伴い日程変更。代わりに開催されたのが「フットサルwithさぽーたーずカップ(サルさぽカップ)in春日部」です。
急なスケジュール変更にもかかわらず、たくさんのチーム&個人の参加者が集まったのは、関東大会と同じ会場を使用するなど「プレ大会」の要素もあったから。
大会は一般参加の「オープンリーグ」、女性選手だけが出場する「なでしこリーグ」の2部構成で行われ、オープンリーグが12チーム、なでしこリーグが4チームの参戦となりました。参加チームは以下の通り。Sリーグ(埼玉県精神障害者フットサルリーグ)の強豪と、関東の強豪チームが入り乱れ、ある意味関東大会よりも豪華な出場チーム構成です。
オープンリーグ————-各グループ1位と成績4位1チームの合計4チームが決勝トーナメントへ
AグループEspacio(千葉県)S.F.C SOCIO Tokorozawa(埼玉県)FC ORANGEムランチ(健常)BグループBOSCO NEXT(東京都)FREM FC(埼玉県)川口やどかり合同チーム(埼玉県)チームKMT(健常)CグループFC PORT(神奈川県)EVOLVIENTO F.C(埼玉県)F.C.cangiare(埼玉県)個人参加チーム(←含むパラキート・混成)
なでしこリーグ————4チーム総当りで成績上位1チームが優勝
AZALEA(健常)埼玉A(あねごまつり)埼玉B(チームぼんぼり)埼玉C(チームとね)
個人参加チームには、遠く沖縄の「バンミカス琉球」からエントリーした選手が加わり、またなでしこリーグには、昨年の全国大会に出場した「エストレージャあいち」からも選手が参戦。バラエティに富んだ大会となりました。
好ゲームが続出のオープンリーグ 予選リーグ
オープンリーグ AグループAグループで抜きん出たのはやはりEspacio。主力を何人か欠きながらも、3戦全勝。全体成績では予選3位での突破となりました。特に1試合目のS.F.C SOCIO Tokorozawa戦では、当たりが強くアグレッシブなS.F.C SOCIO Tokorozawaを相手に5点を決め圧勝。
Sリーグ2017シーズン、優勝も狙える位置につける大健闘を見せたS.F.C SOCIO Tokorozawaは、終わってみれば悔しい4位。埼玉ソーシャルフットボール協会の岡田副代表とその同級生で集まったというムランチは、大会を盛り上げたものの惜しくも2位。
そして力をつけてきたFC ORANGEが3位に食い込みました(転倒するほどの大健闘)。
オープンリーグ BグループSリーグ所属「FREM FC」が爆発。チームKMTに3失点の不覚を許したものの、終わってみれば無敗の1位通過。全体でも予選2位の好成績をあげました。
埼玉県選抜チーム「埼玉CAMPIONE」の核ともなるFREM FCは、昨シーズンのSリーグでも圧倒的な力の差で優勝したチーム。東京から参戦のBOSCO NEXTは惜しくも3位でしたが、選手たちの明るくしまった表情がとても印象的でした。
不気味なのは「チームKMT」。Bグループでは2位に甘んじましたが総得点13点は参加チームトップタイ。全体の4位で決勝トーナメント進出を果たしました。その正体はのちに明らかになります…。
オープンリーグ Cグループ我らがFC PORTが組み込まれたグループCは、EVOLVIENTO F.C.、F.C.cangiareというSリーグ上位の実力ある2チームが同居し苦戦が予想されましたが、チームに勢いのあるFC PORTが新戦力の活躍もあって無失点の3連勝で決勝トーナメントへ。全体成績では1位というこれ以上ない形で予選グループを突破しました。
Sリーグ勢は移籍による戦力ダウンの影響もあり、本来の実力が出せないままグループ2位、3位となりました。しかし、Sリーグでしのぎを削る間柄のEVOLVIENTO F.C.とF.C.cangiareの試合は予想通りの好ゲーム。とても見応えのあるものになりました。
日本ソーシャルフットボール協会(JSFA)副理事長・徳堂氏、埼玉CAMPIONE実行委員、そしてバンミカス琉球の選手とで結成した個人参加チーム(パラキート所属)も、バンミカス琉球の選手が3得点と意地を見せましたが、最下位の涙を飲みました。
女子リーグの創設も視野に。可能性の見えた「なでしこリーグ」
4チームで争われたなでしこリーグは、うち3チームが即席のチームでしたが、白熱の試合を見せ会場を盛り上げました。普段からチームとして活動しているAZALEAは、18得点失点2という圧巻の戦いぶりで堂々の優勝。
埼玉C(チームとね)は、AZALEAに6失点と手痛い洗礼を浴びるも、その後の2試合は力を見せつけ準優勝。
桃の節句にちなんだ可愛らしいチーム名の埼玉B(チームぼんぼり)が3位、そして埼玉A(あねごまつり)は最下位でしたが、随所に好プレーが光り、観客は大いに湧き立っていました。
埼玉C(チームとね)を応援するEspacioメンズ。
なでしこリーグはイベントとしての位置付けで開催されましたが、女性選手から設立の声が高まりつつある「ソーシャルフットボール女子リーグ」を意識させました。Sリーグではエキシビションとして、女性だけのゲーム大会を昨季からスタート。また昨年横浜で開催された「ぽるとカップ2018」でも、女性の交流試合が試みとして行われ、ギャラリーの関心を集めていました。男性5人に対し女性は1人まで入っても良いという現行のルールは、あくまで国内のローカルルール。女子リーグの創設は、いずれ本格的に議論されていくことでしょう。
関東大会の激闘を予感させる決勝トーナメント
決勝トーナメントはEspacio vs FREM FC、FC PORT vs チームKMTの組み合わせとなりました。準決勝 第一試合 Espacio vs FREM FCこの大会ではベストメンバーが揃わず、脅威的な攻撃力こそ影を潜めたEspacioですが、それでもパフォーマンスは落ちません。浮き足立つFREM FCに対し落ち着いた試合運びで、試合開始直後に挨拶代わりの先制点を浴びせると、そのあとは一方的な展開に。
一方のFREM FCは序盤にその持ち味である突進力を見せましたが、序盤のチャンスを決められなかったことで波に乗れません。
埼玉CAMPIONEとEspacioとの対決もフラッシュバックするこの一戦、決勝へ進んだのは3-0でEspacioでした。結果は差がつきましたが、素晴らしい好ゲームに観客からも拍手が湧き上がっていました。
準決勝第二試合 FC PORT vs チームKMT事前の情報が何もないままガチンコで臨んだFC PORT。対するチームKMTは、蓋を開けてみれば埼玉CAMPIONEの指導陣やスタッフ、そして彼らが所属する埼玉県フットサルリーグの選手で構成された、実力者ぞろいの強豪チームでした。
試合は、素早い寄せでフィニッシュまで持って行かせないチームKMTにFC PORTがペースをつかめず、逆に猛攻を食らって防戦一方の展開に。FC PORTもなんとか一矢報いたものの、終始チームKMTにゲームを支配されたまま、試合終了。決勝でEspacioと再戦する目標は果たせませんでした(パラキートは最下位決定戦に出ており写真は撮れず)。
決勝 Espacio vs チームKMT全国大会二連覇ののち、スカンビオカップ(大阪)、コルツァカップ(千葉)、ぽるとカップ(神奈川)と3タイトルを獲得するなど、もういいだろうと周囲に言わしめるほど強いEspacio。
しかし、その無敗のチームに土をつけたのはチームKMTでした。開始から押し込む展開を見せたEspacioですが、なかなかチームKTMのゴールをこじ開けることができません。
フィクソ(ディフェンスにより近いポジション)の選手が全体を見ながらゲームを組み立てるのが基本戦術のEspacioに対し、チームKMTはその寄せの速さでゲームを作らせません。次第に後手に回り始めるEspacio。
先制点を奪ったあとは、常に自分たちの回しやすいように動き回り、Espacioの特徴を完全に押さえ込んでいました。
GKもファインセーブを連発。焦り前のめりになるEspacioを尻目に、チームKTMはさらに追加点。
そしてそのままタイムアップ。大会優勝はチームKMT!!