FC PORT航海記〜日本一を目指した180日間⑤嵐迫る

  • サッカーの現場から

しのぎを削るライバルたち

1試合目終了から間を置かずに始まったのは、グループ内でも格上と目されるYARIMASSE大阪とリベルダージ北海道の直接対決。ピッチを見下ろせる二階観客席から、選手たちは食い入るように戦況を追っています。グループA 第二試合 YARIMASSE大阪(大阪府)vs リベルダージ北海道(北海道)互いに初戦にも関わらず、試合はヒートアップ。両者の激しい競り合いは凄まじいものがありました。試合はリベルダージ北海道が5-2で勝利。

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グループA 第三試合 鳥取県選抜(鳥取県)vs CitRungs Tossa(高知県二巡目となる鳥取県選抜は、高知県のCitRungs Tossaと対戦。接戦の末1-1の引き分け。これで5チームすべてが1試合ずつ試合を消化し、FC PORTが勝ち点3の得失点差で首位に立ちました。

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本命Espacioを止められるか。激戦のグループB

一方のグループBは、2年前の全国大会で優勝したEspacio(千葉県)が本命、その後を追うエストレージャあいち(愛知県)、長崎ワイルドアミーゴズ(長崎県)、おこしやす京都(京都府)、そして開催地の愛媛オレンジスピリッツ(愛媛県)という組み合わせ。

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f:id:okina_monkparakeet:20180330010930j:plainグループB 第一試合 エストレージャあいち(愛知県)vs長崎ワイルドアミーゴズ(長崎県グループAと同時刻に試合が始まった試合は、エストレージャあいちがその攻撃力を見せつけて5-0の圧勝。エストレージャあいちはFC PORTと親交があり、開会式前に互いの健闘を誓い合った仲。この勝利は嬉しいものでした。

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グループB 第二試合 Espacio(千葉県) vs 愛媛オレンジスピリッツ(愛媛県前回覇者と開催地チームの注目の一戦は大量得点をあげたEspacioが8-0で勝利。Espacioは関東大会とは別のチームへと変貌をとげていました。一方、応援団の応援を背に臨んだ愛媛オレンジスピリッツには手厳しい敗戦となりました。

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グループB 第三試合 長崎ワイルドアミーゴズ(長崎県) vs おこしやす京都(京都府第三試合、激しいボディコンタクトが繰り返される熾烈な一戦は、2-1と僅差でおこしやす京都が勝利をモノに。長崎ワイルドアミーゴズ、2敗で勝ち点0、決勝進出は厳しくなりました。

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熱い試合が繰り広げられる中、FC PORTは次の試合に備えてミーティング。

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次戦の相手は、先ほど試合を見ていたリベルダージ北海道。佐藤監督は事前のスカウティングメモを元に指示を伝えます。実は監督は1試合目から叫びすぎて喉が涸れ、声がほとんど出なくなっていました。

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得点力に定評のあるYARIMASSE大阪を2得点に抑えた守備以上に、その得点力には佐藤監督も警戒を強めていました。ここで勝てば、1位突破の可能性が限りなく高くなります。スタッフも交えた熱のこもったミーティングは、20分近くも続きました。

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試合を見届けたのち、誰ともなく口に出た言葉。「意外と大したことがないかも」「これならいける」それほど、今のFC PORTには自信がみなぎっていました。

風雲急を告げる。今大会最初の山場、リベルダージ北海道戦

午後5時。外は雨脚も強まり、風も強く吹き始めました。嵐の中、いよいよ最初の山場リベルダージ北海道との直接対決です。ピッチに姿を現した選手たちは落ち着かない様子。特にGKのジンさんは重圧に飲まれ、完全に硬くなっていました。

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すると、突然ザキさんがジンさんをおんぶ!不意を突かれたジンさんに思わず笑顔がこぼれます。周りもそれを見て大笑い。緊張感が和らいだ一瞬でした。

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「よし、集まろう!」監督の号令一下、みんなが一つの輪になります。ここからは総力戦、ムーチさんの誘いに、パラキートも円陣の一部に加わりました。ふと見上げると、みんな満面の笑顔…重圧を楽しむ彼らの姿がそこにはありました。佐藤監督が語りかけます。「今日はこれで終わりだから、出し切ろう。いい形で今日を終わろう!」

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 グループA 第四試合 FC PORT(神奈川県)vs リベルダージ北海道(北海道)

キックオフはリベルダージ北海道。試合開始から両者は真っ向勝負。FC PORTはハッシーとトビくんの二人が攻守にわたって積極的に動き、モッチーは完全に下がった位置。ムーチさんが隙を見て攻撃に参加します。

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一方のリベルダージ北海道は、後ろでボールを保持しながら隙を伺い、攻撃のスイッチが入れば一気にゴールを脅かします。

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トビくん、ハッシーはハードな守備に手を焼きました。体格の良い選手たちの体を預けるようなディフェンスに阻まれ、崩しきってのシュートに持込めません。

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前半は完全に互角の勝負。めまぐるしく攻守が入れ替わります。

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しかしなかなか点が決まらず、FC PORTベンチも思わず立ち上がっての応援。浅井くんは声の出ない監督の代わりに指示を飛ばします。

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ここまで一番走り回って、疲れの見えたトビくんを下げ、カトちゃん投入。しかし両GKの活躍もあり、前半を0-0で折り返した両者。試合が全く読めません。

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後半に向けて、気合いを入れ直すメンバーたち。まずは先制点を取って、楽な展開へと持って行きたいところ。

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この試合、良い動きを見せていたトビくんにその役目が託されます。期待を込めてトビくんの頭を小突く佐藤監督。「お前が試合を決めてこい!」

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後半キックオフ直後から、前半以上に仕掛けていくハッシーとトビくん。しかし硬い守備に阻まれ、なかなかゴールへと結びつきません。

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一方守備面では前半と同じくムーチさんとモッチーが効いています。攻守にめまぐるしく展開が変わるこの試合、守備に求められる体力と集中力は相当なもの。

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モッチーはFC PORTの中では古参のメンバー。彼もまた優しい性格で、関東大会の頃は当たりも弱く、佐藤監督は彼を高評価しながらも物足りなさを指摘していました。

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やがてチームの成熟とともにアグレッシブになり、意見を口にすることも増えました。そして今ではスタメンを確保し、守備と攻撃のバランスを担う必要不可欠な選手へと成長したのでした。

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前半と異なり、高い位置まであがっては攻撃に参加するモッチー。そして危ないと見るや自陣に戻り、ハードワークを厭わず献身的にディフェンス。その献身ぶりがついに実を結びます。

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後半2分、モッチーからのパスをトビくんが角度のないところからシュート。相手GKが弾いたところをハッシーが押し込もうとしますが、ブロックされたシュートは後方へ。

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そこに走りこんでいたのはムーチさんでした。早いシュートはゆるい弾道を描いてGKの頭上をすり抜け、ゴールヘ吸い込まれます。待望の先制点はFC PORT!

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ハードワークが報われ、高々とガッツポーズを掲げるムーチさん!チーム全体で掴んだ先制点!!思わずガッチリとムーチさんを抱きしめる監督。この一点は大きい!

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1点を追いかけることになったリベルダージ北海道は、さらに攻勢を強めます。激しいシュートの応酬は壮絶を極めました。

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そして試合は再び動きます。後半5分、リベルダージ北海道は最終ラインから前線へ大きな弓なりのパスを送ります。落下地点にはムーチさんと相手選手、そしてジンさんが。交錯状態でボールを見失ったジンさんの脇を抜けて、ボールはゴールへ。やり返したぞ、とばかりに両手を突き上げる相手選手。

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この大会初の失点に、茫然自失の選手たち。すかさず監督がタイムアウトを要求します。

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タイムアウトで落ち着きを取り戻したFC PORT。勝利を目指して、ひたすら走りました。しかし、その後互いにネットを揺らすことなく、ジリジリと時間は過ぎていきます。

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そして、タイムアップの笛の音が。熾烈を極めた打ち合いは、両者1-1の引き分けで終えました。しかし初日終了時点で首位という最高の結果に、選手たちは一様に明るい表情を浮かべていました。

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そしてグループBは、初日最後の試合を迎えました。リベルダージ相手に敗北を喫し、後のなくなったYARIMASSE大阪と、CitRungs Tossaの対戦です。

グループB 第五試合 CitRungs Tossa(高知県)vs YARIMASSE大阪(大阪府後がないYARIMASSE大阪は、序盤から怒涛の攻撃を仕掛け、3-0の快勝。勝ち点3を手にしましたが、上位2チームの失策を待つ状況。翌日のFC PORT戦に全てをかけます。

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激戦!連戦!グループB

一方隣のコートではグループBが熾烈な試合を繰り広げていました。

グループB 第四試合 Espacio(千葉県) vs エストレージャあいち(愛知県)首位直接対決は、エストレージャあいちが一時優位に立つも、かろうじてEspacioが逃げ切り、4-2で勝利。エストエージャあいちにとっては痛い敗戦でしたが、手に汗握る展開に観客からは大歓声が沸き起こっていました。

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グループB 第五試合 愛媛オレンジスピリッツ(愛媛県) vs おこしやす京都(京都府地元に勝利をもたらすべく、懸命に走る愛媛オレンジスピリッツでしたが、おこしやす京都の屈強な守備を破れず、猛攻を食らって0-5の大敗。おこしやす京都は2連勝で、Espacioの後方にピタリとつけました。

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初日を終えての順位は両グループ以下の通り。

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グループAはFC PORT、グループBはEspacio。関東勢がそれぞれ首位につける展開で、初日は終わりました。FC PORTが次に対戦するのは、背水の陣を敷くYARIMASSE大阪。この試合で勝利すれば、首位突破を大きく手繰り寄せることができます。運命の2日目、果たしてどのような展開になるのでしょうか。

へ続く

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『"Pick"=掴み取る、選ぶ」と「"Phat"=格好いい、イカした』を組み合わせた造語を屋号に掲げる「PickPhat」。クライアントの意思を尊重し、選び抜いてイカしたサイトをクライアントと共に作り上げます。代表の加藤高明氏は電動車椅子サッカーチーム「Yokohama BayDream」の選手としても活躍中。

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