Thanks all!!〜第二回ソーシャルフットボール全国大会愛媛大会を終えて

  • サッカーの現場から

2日間の大航海、躍動した青いユニフォーム

10月28〜30の3日間に渡り、愛媛県松山市を中心に熱い激闘が繰り広げられた「第17回全国障害者スポーツ大会〜愛顔つなぐえひめ大会」が閉幕しました。県内9つの市と町で、全国から約3,300人の選手たちが愛媛に集い、13の正式種目と3つのオープン競技で競われたこの大会。その中の一つが精神障害者フットサル(ソーシャルフットボール全国大会)でした。

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私たちFC PORTは関東代表2枠の1チームとして出場し、1位だけが決勝に上がることができる過酷なグループリーグを、3勝1分という文句ない成績で突破。クラブ史上初の全国大会出場にも関わらず、決勝戦へと駒を進めることができました。

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しかし、現実は非情なるもの。同じ関東代表のEspacio(千葉)には、前半から完膚なきまでに打ち込まれ、終わってみれば1-8、完敗でした。

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Espacioは同じ関東勢として度々対戦してきたライバルであり、FC PORTにとっては常に壁となる存在。2月の関東予選では、0-1(1点はオウンゴール)という僅差で敗れはしたものの、その内容には確かな手応えもつかんでいました。

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その意に反して、決勝戦は一方的な展開に。しかしそこで見たものは、連戦で足腰が悲鳴を上げているにもかかわらず、劣勢にしてなお、Espacioに立ち向かっていくチームメイトの姿。練習でも見ることのできないその必死な姿に、私は畏敬の念すら抱きました。

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苦難の8ヶ月

実は全国大会出場が決まってから今日までの約8ヶ月、チームは様々なトラブルに見舞われました。天候不順による練習の中止、中心メンバーの相次ぐ離脱、方向性の不一致。本大会では華々しい結果をあげましたが、実際のところは本当に1勝すらできないのではないか、というところまでチーム状況が悪化したこともありました。

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FC PORTは監督1名、スタッフ3名(代表:福祉従事者1人、一人は兼選手、もう一人は私)で運営されており、は医療関係者が一人もいません。そんな中で、チームの問題は選手たちが自主的に集まって話し合い、暗中模索、試行錯誤を繰り返しながら解決していきました。それが大舞台でも揺るがない強固な信頼関係に繋がっていったのです。

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コートの確保や練習試合の企画など、全て選手だけで行っているFC PORTにとって、本大会を辞退せざるを得なかった選手たちや、いろいろな形で支援を申し出てくださった皆さんのバックアップは、とても大きな力になりました。そのありがたさを改めて感じる数ヶ月でもありました。

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チームと一つになるために

ブログを書き始めて1年半、様々な競技の全国大会を見てきましたが、傍観者ではなく当事者として全国規模の大会に臨むのは今回が初めての経験でした。FC PORTに所属して1年になりますが、私個人はチームにとって大した戦力ではありません。残念ながら出場資格を持ちませんし、医療知識も戦術知識も持ち合わせていません。できることと言えば、一緒にボールを蹴ることだけ。

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全国大会出場が決まって以降の全ての練習に参加できたわけではなかったものの、予定が重ならない練習日には、メンバーの一人としてできる限り一緒にボールを蹴りました。慎重さも手伝って遅々として進まないチーム強化に苛立ち焦るあまり、選手とちょっとした摩擦もありました。想定外のトラブルに頭を抱えることもありました。関東大会までの半年やそこそこでチームメイトを、ソーシャルフットボールを理解した気になっていた自分の傲慢さを思い知る毎日でした。

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新ユニフォーム&エンブレムのデザインを任された時は、嬉しさと同時に不安にも襲われました。新参者の自分がこんな大役を務めて良いのだろうか、チームを一つにまとめられるユニフォームデザインができるのだろうか、と。私自身にとってこの8ヶ月という期間は、真にチームメンバーになれるかが試される、葛藤の期間でもありました。

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会場であるビバ・スポルティバのピッチで躍動する青いユニフォーム姿の選手たち、そして堂々とはためく大きな横断幕と、静かに浮かぶエンブレム。目に飛び込んでくる大海のような鮮やかなブルー。自分がようやくチームの一部になれたと実感した瞬間でした。

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…とこれ以上書くとネタがなくなってしまうので、それはまた後日。また改めて今大会をじっくり振り返ってみたいと思っています。まずは私たちをリスペクトし全力で戦ってくださった対戦チームの皆様、最高の会場を提供してくださった実行委員会の皆様、選手たちが活き活きとプレイできるよう、最大限のご配慮をくださったJSFA関係者の皆様、そして私たちを招いてくださった愛媛県の皆様に深く感謝を申し上げたいと思います。貴重な機会を与えてくださり、本当にありがとうございました。チームを立ち上げ、今日まで見守り続けてきた「チームの父親」とも呼べるSさん、素晴らしいチームをまとめあげたS監督、そしてチームに安心を与えてくださったIさん、そして、いろいろなことを学ばせてくれたチームメイトのみんなに、心からの祝福と感謝を。

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全国大会で結果を残せなかったチームや大会出場を逃したチームは、すでに次の目標に目を向け始めています。しかし、それは私たちも同じこと。来年の3月、舞台は埼玉県。次の関東大会では、去年とはまた違ったFC PORTをお見せできると思います。この愛媛での激闘の記録は後日、パラキートブログでもカッコイイ写真付きで詳細にレビューします!!乞うご期待!!————————————————————————————————-(了)

※写真・文章の無断転載、無断流用を固くお断りします。

パラキートのパラスポーツ日記とは

「パラキートのパラスポーツ日記」では、一人の障害者サッカーファン「パラキート」が自分の脚でおもむき、自分の目で観て、自分の耳で捉え、自分の指で撮り、自分の頭で考えたママを発信していきます。

記事を通して、競技を取り巻く人・環境・社会問題に触れ、この魅力的な世界に関心を寄せ、寄り添ってくださる方が増えることを願っています。

プログラム制作・HP管理/「PickPhat(ピックファット)」

『"Pick"=掴み取る、選ぶ」と「"Phat"=格好いい、イカした』を組み合わせた造語を屋号に掲げる「PickPhat」。クライアントの意思を尊重し、選び抜いてイカしたサイトをクライアントと共に作り上げます。代表の加藤高明氏は電動車椅子サッカーチーム「Yokohama BayDream」の選手としても活躍中。

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