- サッカーの現場から
精神障害者フットサルを埼玉から発信、全国へ
フットサルを通じた精神障害者の社会参加、交流促進、生活の質の向上を目的に、2008年に発足した社会団体「埼玉カンピオーネ」。その精力的、かつ組織的な活動は、ソーシャルフットボールの普及とチーム力向上を目指している他県からも注目されています。その埼玉カンピオーネが主催する精神障害者フットサルリーグ「Sリーグ2017シーズン」が、いよいよ今期も開幕決定!
その前に埼玉カンピオーネについてちょっとご紹介。埼玉カンピオーネの特徴的な活動は大きく2つあります。一つは、全国でも珍しい精神障害者フットサルリーグ「Sリーグ」。県内の複数のチームが参加し、リーグ形式での対戦によって順位を競い、全体的な競技力向上を図っています。そしてもう一つは、その中からセレクションで選抜された選手で構成されるチーム「埼玉CANPIONE」の活動。今年2月に開催されたソーシャルフットボール関東大会では、随所に組織力を発揮し、セレクションチームのポテンシャルの高さを感じさせました。
今年で10周年を迎える「Sリーグ」を盛り上げるのは全8チーム!
さて「Sリーグ」って具体的にどんな大会なのでしょうか?リーグ戦は全4節。出場8チームが総当たりを2巡行い、総合成績で順位を競います。試合形式は1試合10分ハーフ(ランディングタイム・PK戦なし)。出場チームは以下の8チーム。
EVOLVIENTO F.C.(エヴォルヴィエント エフシー)2016シーズン:優勝スペイン語で「進化・発展」を意味する「Evolucion」と「風」を意味する「Viento」を組み合わせた造語がチームの由来。Sリーグ2015&206シーズンと2連覇し、3連覇を目指します。特に2016シーズンは14試合75得点という凄まじい破壊力を見せつけ、強豪ふれむFC(後述)との熾烈な優勝争いを制しました。Sリーグを牽引する文句無しの旗艦チーム。この勢いを止めることができるのはどのチームでしょうか?
EVOLVIENTO F.C.~HOME~/フットサル×精神疾患/
FREM FOOTSALCLUB(ふれむFC)2016シーズン:2位春日部市で活動する「ふれむFC」は、病院と障害者生活支援センター「ふれんだむ」が母体となり、埼玉カンピオーネと同じ2008年に誕生した古参チーム。昨年順位は準優勝。13勝1敗、失点数は1位エヴォルと同数という驚異的な成績だったにも関わらず、総得点で及ばず。2シーズン連続で優勝を逃したふれむFCは、どのチームよりも多くの点を獲る勢いで、2連覇を達成した2014シーズン以来のチャンピオン返り咲きを狙います。
Breezers 2016シーズン:3位埼玉精神神経センターのデイナイトケアにおいて、リハビリテーションの一環として発足したBreezers。昨年順位は3位。上位2チームとは異なり、最小限の得点で効率よく勝ちを狙い、昨季は8勝6分。勝ちきれない試合が多かったことが悔やまれますが、勝ち切るチームとして一皮むけることができれば、優勝も見えてきそうです。
S.F.C.Socio Tokorozawa 2016シーズン:4位「共に暮らす」を障害・性別・年齢の差異に関係なく実践する市民団体「ソシオ所沢」が母体のチームS.F.C.Socio Tokorozawa。2016年発足と比較的新しいチームでありながら、3位Breezersと同勝ち点で、得失点差で4位に泣きました。都内のチームから有力選手が移籍し戦力もアップ。5月に開催された浦和レッズハートフルカップでは、エヴォルを抑え堂々の準優勝(6チーム中)。今大会の台風の目となる可能性も十分持ち合わせています。
ベアーズ 2016シーズン:5位川口市を中心に活動する「ベアーズ」。前回大会では5位。ハートフル川口がサポートし、エンジョイを第一に活動をしていますが、7月開催の「はっとりフットサルカップ2017」では、Sリーグの前哨戦ということもあってか、随所にアグレッシブなプレイを披露し、相手チームと火花を散らしていました。その積極性を今期も発揮できるか。
F.Cカンジャーレ 2016シーズン:6位
数シーズン前までは優勝争いの常連で、2019&2012シーズンには優勝を成し遂げた古豪ながら、昨シーズンはまさかの6位に沈んだF.C.カンジャーレ。しかし少人数ながらも練習を重ね着実に実力を伸ばし充実したチーム状況が伺い知れます。今期の目標はもちろん昨年の名誉挽回。再びSリーグの先頭集団に追いつくために、S.F.C.Socio Tokorozawaとの初戦を制し、まずは勢いに乗りたいところです。
桜フェリシータ 2016シーズン:7位
埼玉県桜区で活動する桜フェリシータ。昨シーズンの最終成績は7位と、チームとしては不本意な成績で終わりました。デイケアのリハビリプログラムの一環として活動しており、チームメンバーの意思疎通はバッチリか。昨シーズンは14試合8得点と、得点力不足に泣いた桜フェリシータ。今期は昨年よりも得点を伸ばし、満開の笑顔を咲かせたい。
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オレンジ 2016シーズン:ー
今期Sリーグに新たに参入した「オレンジ」。その実力はパラキートの取材不足で明らかにはなりませんでしたが、上位を食い、リーグを引っ掻きまわす台風の目になるかもしれません。初戦のふれむFC戦でその真価を見いだすことができそうです。
「Sリーグ」は12月までに月1開催、全4日程。
「Sリーグ」は9月17日(日)の開幕節を皮切りに、12月17日の最終節までの全4日程の中で争われます。一発勝負ではない、長期間高いモチベーションを維持氏続けられたチームだけが優勝トロフィーを手にすることができるリーグ形式は、ソーシャルフットボールに欠かせない「心の強さ」を測るのに最適な大会形式と言えるかもしれません。日程は以下の通り。第一日程 2017年9月17日(日)9時〜17時 春日部市立市民体育館第二日程 2017年10月7日(土)9時〜17時 ウイングハット春日部第三日程 2017年11月4日(土)9時〜17時 春日部市立市民体育館第一日程 2017年12月17日(日)9時〜17時 春日部市立市民体育館そして注目の初戦、組み合わせは以下の通りになりました。S.F.C Socio Tokorozawa VS ベアーズ桜フェリシータ VS EVOLVIENTO.F.Cオレンジ VS FREM F.CF.Cカンジャーレ VS Breezers今期はどのチームが栄光の戴冠を受けるのか。頭一つ抜けたエヴォル&ふれむF.C.二苦杯をなめさせ、Breezers、F.Cカンジャーレといった古豪が再び輝くのか、はたまた新興勢力がジャイアントキリングを見せるのか。そしてこの中から「埼玉CAMPIONE」に新たな力を与える選手が出現するのか。いろいろな意味で目が離せない「Sリーグ2017シーズン」、いよいよ開幕です!———————————————————————————————–(了)※写真・文章の無断流用は一切お断ります。