ボールが開くココロの扉〜フットサルオープンリーグ関東交流会2017

  • サッカーの現場から

フットボールの魔法」にかけられた1日

5月の連休のこと。千葉県の千葉ポートアリーナで開催された「フットサルオープンリーグ関東交流会2017」に参加してきました。

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この交流会は、千葉県で活動する「千葉『共に暮らす』フットボール協会(通称「トモフト」)」が2015年から毎年開催しているイベント。精神障がい者だけでなく、性別、年齢、経験問わず、誰でも参加できる「オープン」なフットサル大会です。

千葉『共に暮らす』フットボール協会http://tomofuto.org/

当日は80人を越える参加者が参加し、その中には千葉を拠点に活動する「Espacio」、埼玉で活動する「埼玉カンピオーネ」、東京を拠点とする「BOSCO NEXT」などのメンバーの姿もありました。「他人の足を引っ張るのが怖い、ミスをしたらこわいから」団体競技は苦手、という方も多いかもしれません。しかし、この「フットサルオープンリーグ」はそんなことを気にせずフットサルを楽しめるようになっているんです。一つは、普通のフットサル大会では勝敗をつけて順位を競うのに対し、この大会では順位を争わず、ひたすら1ゲーム1ゲームを楽しむところ。順位を意識しなくていいから、計算抜きで誰でも自由に試合に参加できます。

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もう一つは、集まった参加者で当日限りのミックスチームを作るところ。経験者と初心者が一緒になったり、男女が一緒になったり、70歳と高校生が一緒になったり。互いにレベルの違う相手同士、自然と助け合う環境が生まれます。

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勝敗を争わない、それがオープンリーグ

じゃあ、チームは何を目標に試合をするの?…そこが、オープンリーグの面白いところなんです。1.参加者を10チーム程度に分ける。先述の通りメンバーはランダム。2.次に自己紹介。それぞれのメンバーの呼び名を決めます。3.チームの名前を決める。4.チームの目標を決める。全勝する、誰かがゴールを決めたら必ずハイタッチする、全員が必ず試合に出る、など、そのチームのレベルに合った目標を上げていく。5.試合開始!全チームの総当たり!私の参加したチームは「ENJOY ROCK」。

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老若男女合わせて8人。メンバーのスキルレベルも年齢も経歴もみんなバラバラです。フットサル監督経験者のロックさん(69歳)をリーダーに、気合十分です。

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チームの目標はこんな感じ。・ゴールにつなぐ・みんなでハイタッチ・楽しむ・ナイスシュートみたいな声・パスをつなぐ・声を出す・仲間をサポート・1人1点・汗をかく・1日で69点取るこの日は朝10:00からのスタート。5分ハーフを1日に5試合をこなしていく長丁場です。他のチームは、最初は言葉少なにボールを回していましたが、お互いに慣れてきたのかだんだんと声が上がり始めます。

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たった一人では成立しないのがフットサル。周囲の仲間の手(足?)を借りて、ゴールを目指します。いいプレイには「ナイス(*ノv`)b」残念なプレイには「どんまい!」と声を掛け合う参加者たち。なかなかいい雰囲気になってきましたぞ。

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我らが「ENJOY ROCK」は開始から1点も取れず、言葉少な。休憩時間には皆無言で他の試合を眺めていました。しかし試合を重ねていくにつれ、ポツリポツリと冗談も飛び出し始めます。誰かがクスリと笑えば、誰かが合いの手を返す。じわじわと互いの距離感を探り合いながら、詰めていきます。

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不思議なもので、だんだんと連携も合ってきたように感じます。大胆なプレイも飛び出し始め、女性プレイヤーも積極的にゲームに参加し始めました。これは得点を獲るのも時間の問題??

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見渡せば、他のチームもかなり温まってきた様子。体育館全体が溌剌とした活気に包まれていました。チームメイトは互いに助け合い、声を掛け合います。

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ハイタッチも飛び出します。「╭( ・ㅂ・)و 」!

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あちこちから「ナイスシュート!」の声。各チーム、白熱してきました。

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午前中に何試合かこなして、互いにコミュニケーションはが滑らかになってきたところで、1回目の振り返り。

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最初の自己紹介の時にはすぐに覚えられなかった互いの呼び名も、この時にはすっかり覚えていたメンバーたち。試合を通して互いの理解度が深まってきたようです。

みんながエースになれる「ウォーキングフットボール

お昼休みにはエキシビションマッチと交流戦が行われました。「ウォーキングフットボール」という新しいサッカーの形で、文字通り「歩くサッカー」。これ、意外と難しいんです。

f:id:okina_monkparakeet:20170727033131j:plain※皆さん歩いてます。

人間はボールを見ると追っかけたくなるものですが、今ゲームでは走ることは禁止。

f:id:okina_monkparakeet:20170727033134j:plain※皆さん歩いてます。

にも関わらず、勢い余って走ってしまう人、逆にシュートは普通に打っていいのにゆっくり蹴ってしまう人、実に様々。参加者からは大きな笑い声が絶え間なく漏れていました。

f:id:okina_monkparakeet:20170802150905j:plain※走りたい気持ちをぐっとこらえて歩いてます。

f:id:okina_monkparakeet:20170727033129j:plain※GKも歩いてます。

走れない人、サッカーが苦手な人でも、誰でも参加できるのがこのウォーキングフットボールの良さ。サッカー並みに汗を掻くので、痩身効果もバッチリです。なにより、誰でもエースストライカーになれるのが醍醐味。

f:id:okina_monkparakeet:20170727033142j:plain※ハイタッチの時も歩いてます。

スポーツが苦手という方が、スポーツを始めるにはうってつけではないでしょうか?

f:id:okina_monkparakeet:20170727033146j:plain※ハイタッチの時も歩いてます。ウォーキングフットボールが気になった方は、ぜひこちらをご覧ください!

日本ウォーキング・フットボール連盟(東京都練馬区栄町)|JFA|公益財団法人日本サッカー協会イベント告知はこちら(facebookページ)

https://www.facebook.com/groups/569220043270754/

さて、そんな和気藹々の空気の中、アリーナの片隅には勝敗も取らないのに時間がある限りひたすらボールを蹴り合う参加者たちの姿がありました。

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互いの名前も素性も知らない同士。点が入ればハイタッチ&ハグ。そこにいるのは障がい者も健常者もでなく、愛すべきフットサルバカ達。そして気がつくと自分もその輪に加わっていました。

午後も白熱!

振り返りを終え、気持ちも新たにしたメンバーたちは、再び各コートへと散っていきます。円陣を組むチームメイトたちの姿は、もうすっかりファミリーです。

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あちこちで笑顔が溢れます。さあ!午後も勝つぞ!!

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こちらは謎のブラジリアン体操?でも真剣です。

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気持ちのこもったプレイも続出。その度に互いのチームから歓声がわきます。

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時には激しいプレイも。でもすぐに互いを気遣い合います。

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たった一つの小さなボールを蹴り合うだけで、繋がっていく気持ちと気持ち。勝敗も関係ないのに、いつの間にか出来上がるファミリー。「フットボールの魔法」はここでも僕らを一つにしてくれました。

すべてのゲームが終わって、この日の振り返り。各チームが車座になって、お互いのチームの目標達成率を報告し合います。

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朝は無表情だったメンバーたちも、この時には皆笑顔。

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さて、我らが「ENJOY ROCK」の目標の達成率はというと…。・ゴールにつなぐ 
・みんなでハイタッチ ○
・楽しむ ○
・ナイスシュートみたいな声 ○
・パスをつなぐ ○
・声を出す ○
・仲間をサポート ○
・1人1点 ×
・汗を掻く ○
・1日で69点取る ×

いい感じ!1日で69点は取れませんでしたが、来年のオープンリーグで残り67点を取りましょう、ということになりました(笑)最後に、チームメンバー同士で寄せ書きを書きあって回します。そこには口々に感謝の言葉が。「一緒にボール蹴れて楽しかったです」「声をかけてくれてありがとう」「次回は目標達成したいですね!」「ナイスゴールでした」などなど。声に出すのは恥ずかしいけれど伝えたい気持ちが、びっしりと書き込まれていました。

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とはいえ、この日組んだチームで再び試合をする機会は、おそらく二度と無いでしょう。それでも、この日1日だけは絆で結ばれた「仲間」でした。最後に互いに贈りあった寄せ書きの言葉を読むたび、この「オープンリーグ」での時間がどれだけ貴重な経験だったかを思い出します。

イベントが終わった後も、名残惜しそうにボールを蹴り続ける参加者たち。何か特別な時間が、そこには流れていました。

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さあ、お待ちかねの懇親会!運動した後のビールがうまい!トモフト代表理事の佐々毅氏の挨拶とともに懇親会が始まります。

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そこには、3月に川崎で対戦した関東のライバルたちも同席していましたが、すっかり打ち解けあっていろんな話ができました。

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デフフットサルチャレンジカップでコーチを務めた駒崎氏(埼玉カンピオーネ)も、ライバルEspacioの皆さんとフットサル談義。プチ講習会が始まっていました。

f:id:okina_monkparakeet:20170727115101j:plain駆け足でご紹介しましたが、フットサルオープンリーグ関東交流会は、来年も「千葉ポートアリーナ」で開催予定です。この楽しさは参加しなきゃわからない!サッカーに興味あるけど、人との交流はちょっと怖いなと思っている方、是非参加してみてください。きっとココロの扉を開いてくれると思いますよ!オープンリーグの詳細はこちら!「トモフト」情報も載ってますよ!

千葉『共に暮らす』フットボール協会 – Chiba – to live together – football Association / Inclusion of people with mental disorder and social

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「パラキートのパラスポーツ日記」では、一人の障害者サッカーファン「パラキート」が自分の脚でおもむき、自分の目で観て、自分の耳で捉え、自分の指で撮り、自分の頭で考えたママを発信していきます。

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『"Pick"=掴み取る、選ぶ」と「"Phat"=格好いい、イカした』を組み合わせた造語を屋号に掲げる「PickPhat」。クライアントの意思を尊重し、選び抜いてイカしたサイトをクライアントと共に作り上げます。代表の加藤高明氏は電動車椅子サッカーチーム「Yokohama BayDream」の選手としても活躍中。

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