誇りを胸に大舞台に立ったソーシャルフットボール関東選抜
そしてこの日は、もう一つのチームにとっても特別な日になりました。それは、ソーシャルフットボール(精神障害者フットサル)関東選抜。2月の「ソーシャルフットボール関東大会」に出場した5チームの中心選手で構成された、選抜チームです。
気持ちをうまく表すことができない、何かに依存してしまう、感情をコントロールできない…。それぞれが心の病を抱え、葛藤しながら懸命に試行錯誤し続けてきた11人。皆一様に誇らしさと緊張、そして少しの照れ臭さが入り混じった表情を浮かべて、大勢の観客や家族、チームメイトが見守る中、晴れの舞台に立ちました。(FC PORT村松選手は残念ながら欠場となりました)
年齢も経歴も大きく異なる11人の選手は、今大会に出場予定だったデフフットサルウズベキスタン代表の欠場を受けて急遽召集された、いわば即席チーム。大会まで1週間を切った状況で出場が正式に決まり、顔合わせや練習も大会3日前に1度行っただけ。
そんな状況でも、短い時間の中で密接にコミュニケーションを取り合い、お互いの特徴や個性を把握し合った彼らは、初顔合わせから4日後となったこの日、すっかり一つのチームとなっていました。
そんな彼らを率いるのは、精神障がい者フットサル埼玉県リーグ「Sリーグ」に属する「ふれむFC」で監督を務める、鈴木篤史JSFA理事。精神保健福祉士でもある彼は、短期間のうちに選手一人一人のプレイスタイルや症状の特性を掴み、チームをまとめ上げて行きました。人一倍個性の強い彼らを「フットサルを楽しむこと」という目標を掲げて一つに束ねた手腕は、さすがといったところ。