フットサルは愉し 〜ヨコハマぽるとカップ2016 レポート【2016.11.5】

  • サッカーの現場から

快晴!

11月5日(日)雲ひとつなく気持ちの良い秋晴れの空のもと、

横浜市保土ヶ谷区の「FC横浜LEOCトレーニングセンター」で、

「ヨコハマぽるとカップ2016」が開催されました。

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私は横浜で活動しているソーシャルフットボールチーム「FC PORT」の

マネージャ(荷物持ち)として、フィールドに立っていました。

ソーシャルフットボールという言葉を聞きなれない方も多いと思いますが、

うつ病統合失調症など、心の病を持つ方を対象としたサッカーカテゴリです。

JSFA |NPO法人日本ソーシャルフットボール協会

FC PORTは7年ほど前に設立され、現在活動部員は10名前後。

新横浜の障害者支援施設「横浜ラポール」で月に2回の練習をおこなっており、

今回開催された「ヨコハマぽるとカップ」と、去年10月に第1回大会が行われた

「ソーシャルフットボール全国大会」への出場権がかかる、

ソーシャルフットボール全国大会関東予選大会」の2タイトルを目指しています。

FC PORT

[主催]第2回ソーシャルフットボール全国大会/開催要項公開!!|JSFA-officialのブログ

今回で9回目を数える「ヨコハマぽるとカップ」ですが、

FC PORTは過去3回優勝という輝かしい実績を残しています。

神奈川選抜や他県の選抜選手、また現日本代表なども集まるこの大会で、

FC PORTは文字通り優勝候補の一角を担うチームなのです。

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主要大会の参加資格は「障害者手帳所持者」なので、私は今回は参加資格がなく、

チームのサポートの役目をいただいての参加。ほとんど役に立ってませんでしたが…。

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横浜FC会長奥寺靖彦氏の開会挨拶。奥のコートでは三浦知良選手が練習していました。

実は、私の相棒もFC PORTのメンバーです。1年に1度のイベントでもあり、

彼の勇姿を記録に残したいという思いもあったのでカメラを持参したのですが、

心の病を持っていることを知られたくないという参加者も多いので、人物が特定できる

写真は掲載しない、という条件で撮影を許可していただきました。

去年はあいにくの雨だったそうですが、今年は雲ひとつない清々しい秋晴れ!!

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私自身も月一回はフットサルで汗を流しているので、気持ちよさげにボールを蹴る

参加者たちを横目に、羨ましい気持ちを隠しながらシャッターを切りました。

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FC PORT、順調な船出!

参加チームは全部で16(このほかにもエンジョイクラスの大会も同時開催)。

4グループの予選リーグを行い、上位2チームが決勝トーナメントへ進みます。

前回大会で優勝しているFC PORTは、この大会も当然優勝が至上命題

予選リーグ突破は果たさなくてはいけないノルマになります。

前回王者の気のゆるみなど全く感じさせず、全力を持って初戦に臨みます。

今大会、優勝候補と目されているのは3チーム。

千葉・流山で活動している「Espacio」は、

ソーシャルフットボール日本代表が5名所属する強豪です。

そしてもう1チームは東京を中心に活動する「ダルク」

薬物依存からの脱却を目指すメンバーで構成されたチームで、代表を1名輩出。

若いメンバーを中心とし、大会では常に上位に食い込んでくる常連チームです。

そして「FC PORT」。6大会中3度の優勝で、ディフェンディングチャンピオンとして

今大会に臨みます。

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円陣を組んで心を一つにする選手達。

前後半5分ハーフで1チームは5人(GK含む)、女性が入る場合は6人まで。

オフサイドがない、交代は自由、スローインではなくキックイン、

タックル禁止という以外は、基本的にはサッカーとルールは同じです。

初戦は同じく横浜で活動しているKOC A。

FC PORTはテクニック抜群のエース&集中力を切らさないキャプテンを中心に

攻撃的なサッカーで怒涛のゴールラッシュ!初戦を5-0で快勝。

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続く2戦目の対戦はB.D-UNITED。東京を拠点に活動しているチームです。

事前の情報に乏しい状況でも、FC PORTの佐藤監督はメンバーの個性を把握して、

適切に個人個人の役割を確認していきます。自身もかつて高校、社会人サッカーで

活躍した実績をもち、メンバーを最大限にリスペクトした指導で、信頼厚い監督です。

私も一度練習に参加しましたが、気配りを欠かさない方だという印象を受けました。

FC PORTの強さの秘密は、佐藤監督の指導にもあるのでしょう。

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熱心に指導する監督。そしてそれを聞く選手達。集中力が研ぎ澄まされていきます。

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試合は終始FC PORTペース。幾度かゴールを脅かされるシーンもありましたが、

結果は2-0でFC PORT勝利。この時点で予選突破が決まりました。

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この試合、相棒も奮闘!ゴールこそなりませんでしたがシュートに持ち込むシーンも。

来年の関東大会でスタメンを勝ち取れるか、今後の活動に期待です!

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2戦を勝利したFC PORT。続く3戦目の相手はU-18神奈川県代表チームでしたが、

直前で神奈川選抜が大会を棄権。FC PORTの1位通過が確定します。

幸運な不戦勝とはいえ、この不戦勝がこの後の試合にどの程度影響するのか。

チームには一抹の不安が残りました。

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むぐむぐ…やめてくれよぅ…。

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他の試合を見守るふり丸。あとで記念写真を一緒に撮ってもらいました。

まさかの敗退

決勝トーナメントで当たる可能性のあるダルクは、2連勝で予選リーグ1位通過。

Espacioも無失点で予選リーグを1位で通過しました。

その他予選突破したのは「BOSCO NEXT」「ふれむヴィエント」

「オレンジソックス」「B.D UNITED」「オムハビユナイテッド」。

FC PORTは、準々決勝でD組を2位通過したオレンジソックスとの対戦に。

オレンジソックスは東京都東久留米で活動しています。

FCポルトと同じく2009年の発足。健常者と精神障害者とが協力しあって

練習を行っているそうです。

準々決勝前半はFC PORTが優位に試合を進めていきます。過去2試合と同じように、

早い時間帯から先制点を奪い、主導権を握りました。

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ところがその後の流れに乗れません。後半、クリア仕切れなかったボールを

カットされると、うまく運ばれてしまい痛恨の失点。

試合をドローに持ち込まれてしまいます。

予選リーグを無失点に抑えていたことが裏目に出たのか、

失点に動揺してチームの動きがぎこちなくなってしまったように見えました。

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それまでの勢いが鳴りを潜め、守備のバランスが乱れます。

そして一瞬の緩みを突かれ、残り僅かな時間でとうとう逆転されてしまいます。

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奮闘も虚しく、試合終了のホイッスルが。5分ハーフの試合では、一度先行されると

取り返すのが非常に厳しくなります。挨拶を終え、ベンチエリアに戻ると、

その場に力なく座り込む選手たち。相手チームのベンチワークの巧さもあって、

試合に呑まれてしまったことが敗因だったかもしれません。 

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引き上げていくキャプテンの背中は、悔しさを押し殺しているように見えました。

決勝は、優勝候補と目されていたダルクとEspacioの直接対決となりました。

昨年に比べてさらにレベルが上がったと皆が感じていた通り、

結果はEspacioがダルクを下して優勝。日本代表に選出されたことが

彼らの意識をさらに高めさせたのではないか、と感じさせる戦いぶりでした。

その後、横浜FCサッカースクールコーチVS桐蔭横浜大学フットサルチームの

エキシビションマッチが行われるなど、和気藹々の雰囲気の中大会は終了。

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割と本気でイエローカード出してます。

FC PORTはベスト8という悔しい結果に終わりました。

選手たちは早期敗退の結果を受け止めきれず、悔しさで下を向き言葉すくなでした。

しかし敗戦は成長の源。大会が終わった帰り道には試合の反省を口にし、

どうすれば改善できるのかを延々語り続けている様子をみて、

3ヶ月後の関東大会ではきっと良い成果を上げてくれるに違いないと

私の中では安堵感が残りました。

今回の敗戦が彼らをどのように成長させていくのか。

今後もメンバーとして、またサポーターとして、一緒になって

ボールを、そして彼らを追いかけてみたいと思います。

次の記事では、ソーシャルフットボールについて、もう少し掘り下げてみます。

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会場では「フリースタイルフットボールチーム球舞のメンバーとして

世界的にもで活動されている、浅井徹さんとご挨拶させていただける

機会をいただきました!

相棒と同姓同名という奇跡!しかも横浜クラッカーズつながりでした。

今後、何か一緒にできたらいいですね!!

浅井さんありがとうございました!

www.cube-mau.jp

ボール一個で、言葉も性別も年齢も、障害のあるなしも越えて人をつなげ、

病を和らげ、感激したり、泣いたりできる。

サッカーって本当に万病の長だなと思えた1日でした。

あー!!!ボール蹴りたい!!

(了)

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※画像は一部加工しております。

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「パラキートのパラスポーツ日記」では、一人の障害者サッカーファン「パラキート」が自分の脚でおもむき、自分の目で観て、自分の耳で捉え、自分の指で撮り、自分の頭で考えたママを発信していきます。

記事を通して、競技を取り巻く人・環境・社会問題に触れ、この魅力的な世界に関心を寄せ、寄り添ってくださる方が増えることを願っています。

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『"Pick"=掴み取る、選ぶ」と「"Phat"=格好いい、イカした』を組み合わせた造語を屋号に掲げる「PickPhat」。クライアントの意思を尊重し、選び抜いてイカしたサイトをクライアントと共に作り上げます。代表の加藤高明氏は電動車椅子サッカーチーム「Yokohama BayDream」の選手としても活躍中。

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