電動車椅子サッカーW杯日本代結団式に行ってきました

  • 電動車椅子サッカー

決戦の地、アメリカへ。いよいよ出発、日本代表団!

6月30日AM7:45、成田空港第二ターミナルの出発ロビー。JPFAのシンボルマークが刺繍された、爽やかな水色のジャージを身にまとった代表選手8名、帯同するスタッフ・関係者、総勢40名以上が集結していました。

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開幕が7月5日に迫った第3回電動車椅子サッカーW杯アメリカ大会。これから、その日本代表の団結団式が行われるのです。私もその勇姿を一目見ようと、成田空港に駆けつけました。関係者のご配慮があり、ロビーの一角を貸し切って、日本代表の結団式は行われました。

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日本代表団長吉野忠則氏(日本電動車椅子サッカー協会会長)、日本代表を率いる浅岡俊彰監督の挨拶のあと、日本代表キャプテン塩入新也選手の挨拶。そして、代表選手一人一人が一言ずつ、抱負を語りました。

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この日を心待ちにしていた選手たちの表情は、早朝にも関わらずみな晴れ晴れとしていて、清々しい出発となりました。ベテラン北沢選手(レインボーソルジャー)と、やや緊張の面持ちの、初出場竹田選手(横浜クラッカーズ)。竹田選手は「初戦で勢いをつけたい」とお話ししていました。

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落ち着いた表情の吉沢選手(レインボーソルジャー)。

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弾ける笑顔の三上選手(横浜クラッカーズ)とキャプテン塩入選手。「対戦相手の情報がやや不足しているが、経験値では日本の方が上。(南米勢には)勢いに乗らせないようにしたい」と塩入選手。

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スタッフも誇らしげ。

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全国の電動車椅子サッカーに関わる全ての人の後押しを受けて、日本代表団、ここに結団です!

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出国から彼らの戦いは始まっていた

今回結団式が行われたのは、早朝のAM7:45。さすがに朝早くからの結団式とあって、見送る人の姿はまばらではありましたが、実はこの時間に行われたのにはいくつか理由がありました。

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成田空港は早朝から旅客の出入りが激しく、混雑を避けるのが一つの目的。またアメリカとの時差を考慮し選手への負荷を最小限にするため早朝の行動を選択。そして最も大きな理由は、選手の電動車椅子の解体や梱包に時間がかかるためです。飛行機の出発はAM11:10。解体から梱包まで、2時間程度は見ておかなければなりません。ということで、結団式もそこそこに解体と梱包が始まりました。

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自力で解体ができる三上選手、内海選手は、チームスタッフのサポートを受けながら解体を進めていきます。三上選手は1月に北海道遠征を行っているので、解体・梱包作業は慣れてきたとおっしゃっていました(でも大変だそうです)。

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こちらは4人掛かりで作業を進める内海選手。非常に苦労してました。彼らが乗る競技車「ストライクフォース」は、比較的解体しやすいとはいえ、かなりの重労働です。

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あーでもない、こーでもない…四苦八苦しながら梱包を進めていきます。

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そのほかの選手たちは、これから15時間かかるフロリダへのフライト&移動に備えて、空港で用意された車椅子へ乗り換え。リラックスしながら身体を休ませていました。

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2011年のフランス大会の時は、まだ選手たちの競技者も多様で、解体の仕方や梱包方法もそれぞれ違うという状況だったため、出発前の作業になんと3時間もかかったそうです。その後オーストラリアへの遠征などを経て、スタッフ・家族も手馴れたもの。テキパキと作業が進んでいきます。東選手のストライクフォースも…

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こうして…

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このとおり。所用時間30〜40分程度。芸術の域です。

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梱包が済んだ競技者には、各選手の背番号が貼り付けられていきます。そこには日本国旗が輝いていました。

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梱包作業と出国の手続きをすませて、いよいよ選手たちは出発ゲートへ向かいます。

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内橋選手からすてきな笑顔とピースサイン、いただきました!

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今回3回目の出場となる北沢選手も出発ゲートへ。集大成となるであろう今回の大会、彼の活躍に期待したいところですね。

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ダラス経由、フロリダ州キシミーまでの空路では、途中スタッフが代わる代わる席を開け、褥瘡(床ずれ)や筋肉が固まるのを防ぐために、選手たちの姿勢を変えたり、座席配置を変えたりというケアを行います。電動車椅子サッカー日本代表は、このような大変な準備を重ねて、現地に赴きます。大変なだけ、大会にかける思いは他国代表よりも強いはずです!今回は障害者サッカーを撮り続けている映画監督、中村和彦氏も帯同。中村氏にとっても、6年間の電動車椅子サッカー取材の集大成となる大会です。電動車椅子サッカーを追い続けてきた監督の想いがブログから伝わってきます。本戦前にぜひご一読を!

blog.goo.ne.jp

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今回がW杯初帯同の眞島コーチ(右)。感慨深げに、代表について語ってくださいました。大会が終わった後、どんなお話しを聞かせてもらえるのか楽しみです!

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日本代表団は今日の時点ですでに現地で調整を行っており、4日のイングランド代表との親善試合では1-3という結果(得点者:三上選手)。調子を少しずつ上げてきているようです。大会はいよいよ今日開幕。運命の日本代表初戦アルゼンチン戦は、7月6日22時30分(日本時間)からの放送となります。みなさん、一緒に応援しましょう!配信URL↓http://www.fipfaworldcuplive.org/

okina-para-sports.hateblo.jp

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(了)

パラキートのパラスポーツ日記とは

「パラキートのパラスポーツ日記」では、一人の障害者サッカーファン「パラキート」が自分の脚でおもむき、自分の目で観て、自分の耳で捉え、自分の指で撮り、自分の頭で考えたママを発信していきます。

記事を通して、競技を取り巻く人・環境・社会問題に触れ、この魅力的な世界に関心を寄せ、寄り添ってくださる方が増えることを願っています。

プログラム制作・HP管理/「PickPhat(ピックファット)」

『"Pick"=掴み取る、選ぶ」と「"Phat"=格好いい、イカした』を組み合わせた造語を屋号に掲げる「PickPhat」。クライアントの意思を尊重し、選び抜いてイカしたサイトをクライアントと共に作り上げます。代表の加藤高明氏は電動車椅子サッカーチーム「Yokohama BayDream」の選手としても活躍中。

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