夢の祭典!電動車椅子サッカードリームカップ①

  • 電動車椅子サッカー

全国の強豪が、決戦の地平塚に再び集結!!

電動車椅子サッカー夢の祭典「第20回ドリーム・カップ」。年に一度、ここトッケイセキュリティ平塚総合体育館で開催される、文字通りのオールスター大会です。昨年の日本選手権で躍動したチームが、再びこの地に集結しました。

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20回を数えるドリーム・カップ。今年は6年ぶりのW杯イヤーということもあり、7月のW杯に出場する代表選手が本大会前に勢ぞろいするという意味でも、注目の大会になりました。去年は端っこで眺めるだけだったパラキート、今回は満を持して行ってきました!

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今大会は出場6チームが二つのグループに分かれ、グループリーグで順位を争います。そしてそれぞれのグループの同位同士が順位決定戦を行い、最終順位が確定します。3位に入れば来年のドリーム・カップのシード権を得られるため、1試合も気が抜けません。

組み分けは以下の通り。————————————————グループA

Yokohama Crackers(神奈川県)Red Eagles 兵庫(兵庫県)FCクラッシャーズ(長野県)————————————————

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グループB

レインボー・ソルジャー(東京都)Nanchester United 鹿児島(鹿児島県)金沢ベストブラザーズ(石川県)————————————————

グループAでは、1月のマリノス・カップ決勝戦で対戦したばかりの横浜クラッカーズとFCクラッシャーズが再び同組という巡り合わせ。そこに日本選手権で準優勝のRed Eagles兵庫が入るという興味深い組み合わせになりました。グループBには、昨年日本選手権の三位決定戦で対戦したレインボー・ソルジャーとNanchester United 鹿児島が再び顔を合わせました。そして金沢ベストブラザーズが、今大会での躍進を目指します。

手に汗握る接戦の連続!グループリーグ

グループA 第一試合 Red Eagles 兵庫 vs FCクラッシャーズグループAの第一試合は、日本選手権で準優勝を果たしたRed Eagles兵庫と、マリノス・カップの時速10kmカテゴリで優勝し、勢いに乗るFCクラッシャーズの対戦となりました。10#有田正行選手と11#飯島洸洋選手。両チームの司令塔が激しく交錯します。

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ゴールを貪欲に攻めていく4#森山一樹選手。アグレッシブさにさらに磨きがかかったか。

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肉弾戦のような2選手の競り合い!

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4#森山選手、勝利を確信するこのガッツポーズ!

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FCクラッシャーズはマリノス・カップの好調さを維持したまま、今大会でもその機動力を遺憾無く発揮。Red Eagles 兵庫も懸命に追いかけますが届かず、2-1でFCクラッシャーズが勝点3を手にしました。———————-————————————————————————Red Eagles 兵庫(兵庫県 1 VS 2 FCクラッシャーズ(長野県)————————————————————————————————グループB 第二試合過去7度の優勝を誇るレインボー・ソルジャーvs 金沢ベストブラザーズ。「打倒レインボー・ソルジャー」を掲げる金沢ベストブラザーズは、10#城下歩選手が監督兼選手としてチームを牽引します。

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逆にレインボーソルジャーにとっては、初戦も過去一度も負けなしの相性の良い相手。不動のエース10#北沢洋平選手を中心に堅実な試合運びを見せるレインボー・ソルジャー。前後半にそれぞれ1点ずつ加え、試合を有利に進めます。金沢ベストブラザーズも1点を取り返し反撃に出ます。起死回生なるか!

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果敢に挑む10#城下選手。後半は守備の崩れたレインボー・ソルジャーを押しこむシーンも。

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しかし、そこは百戦錬磨のレインボー・ソルジャーしっかり立て直して再びゴールの扉を開くことはありませんでした。

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激しく競り合う10#北沢選手と17#牧野勇樹選手。金沢ベストブラザーズの善戦も虚しく、2-1のスコアで試合は終了。レインボー・ソルジャーは危なげない勝利で初戦をものにしました。———————-————————————————————————レインボー・ソルジャー(東京都)2 VS 1 金沢ベストブラザーズ(石川県)————————————————————————————————グループA 第二試合1月のマリノスカップ決勝で対戦した両者。このときはFCクラッシャーズが1-0で勝利し、初優勝を成し遂げました。逆に日本選手権、マリノス・カップと振るわない結果に終わっているYOKOHAMA Crackers。苦手意識を払拭するため、再び挑みます。

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YOKOHAMA Crackersの7#三上勇輝選手と4#森山選手のマッチアップ。マリノス・カップでもこの迫力あるマッチアップは見応えがありました。

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YOKOHAMA Crackersの攻撃をいなす11#飯島選手。

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その隙をついて、後半にはFCクラッシャーズが決勝点を叩き出します。

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YOKOHAMA Crackers、またも1-0という僅差で敗戦。新シーズンに入り、チームを作り直しているなかでの敗戦には収穫もあり。ただ、苦手意識の克服は今後の課題かもしれません。

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YOKOHAMA Crackers(神奈川県)0 VS 1 FCクラッシャーズ(長野県)————————————————————————————————

グループB 第二試合Nanchester United 鹿児島は、なんと今回は3人でのエントリー。とはいえ11#塩入新也選手、10#東武範選手の日本代表コンビは大会屈指の実力者です。対する金沢ベストブラザーズは初戦で敗れただけに、ここで勝たなければシード権が怪しくなります。10#東選手と競り合う10#城下選手。競り合いに持ち込ませないよう腐心していました。

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絶妙なコンビネーションを見せる11#塩入選手。長年10#東選手と一緒にプレイし続けてすでに連携は「あうんの呼吸」の域です。

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守っては13#野下小百合選手の的確なポジショニング。ほとんどチャンスを作らせませんでした。

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8#山崎勉選手の起用など、メンバー総動員で、総力戦を仕掛けた金沢ベストブラザーズですが、人数が少ない分、自由に動き回るNanchester United鹿児島の2人を抑えることができません。数の優位が必ずしも試合の優位にはならないことを思い知らされた一戦となりました。

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終わってみれば4-0という大差でNanchester United 鹿児島の勝利。金沢ベストブラザーズ、残念ながらリーグ最下位となりました。

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実は1試合目が終わった後、YOKOHAMA Crackersのレギュラーメンバーが修正点を話しあうシーンを見ました。今までの大会ではあまり見られなかった場面でもあり、チームの変化を感じた一瞬でした。

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試合の見所は何と言っても重量感のあるぶつかり合い。時速10kmの醍醐味であるスピード感と躍動感を感じさせる試合という意味では、この試合にすべて凝縮されていた気がします。

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プレイスタイルの近い日本代表2選手が、火花を散らすマッチアップ。

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勢い余っての激しいチャージ!7#三上選手の車体が大きく跳ね上がり、揺さぶられます。

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YOKOHAMA Crackersは、前半のRed Eagles兵庫の攻撃をしのぎきり、後半に決勝点!試合はこのまま2-1で終了。YOKOHAMA Crackersにとってこの1勝は、次につながるきっかけになるかもしれません。

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グループB 第三試合グループリーグ最終節は、互いに1勝をあげ、士気上がる2チームの対戦。昨年のドリームカップ決勝の組み合わせがここで実現しました。レインボー・ソルジャーは突破力のある6#内橋翠選手が、再三Nanchester United鹿児島の隙間を縫って攻撃を仕掛けますが、崩すことができません。

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レインボー・ソルジャーの攻撃を巧みに封じるNanchester United鹿児島。危険を感じれば戻り、チャンスになれば上がる。チームのルールはごくごくシンプルです。

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ゴールをこじ開けた11#塩入選手。バンパーを重ね合わせ、祝福を受けます。

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惜しいシーンを幾度も作りながら、チャンスをものにできなかったレインボー・ソルジャー。

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登録メンバーの多いレインボー・ソルジャーが圧倒するかと思われましたが、3人で挑んだNanchester United鹿児島は完璧な連動性を見せ、大金星。とはいえ、10#東選手は至って冷静に勝算を算段していたようでした。人数が足りないことで、逆に彼ららしさが存分に発揮できる環境が整ったのかもしれません。鮮やかに点を決めていく彼らの姿には、観客もどよめきが起こっていました。

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順位決定戦の組み合わせは、新鮮さを感じさせるような結果となりました。いよいよ、今大会の覇者が決まります。

②へつづく

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『"Pick"=掴み取る、選ぶ」と「"Phat"=格好いい、イカした』を組み合わせた造語を屋号に掲げる「PickPhat」。クライアントの意思を尊重し、選び抜いてイカしたサイトをクライアントと共に作り上げます。代表の加藤高明氏は電動車椅子サッカーチーム「Yokohama BayDream」の選手としても活躍中。

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