- 電動車椅子サッカー
勢いに乗れるか九州勢VS地元の利を活かせるか関西勢
準決勝もう一試合は、クラッカーズを倒して勢いに乗る
Nanchester United 鹿児島(九州1位)と、FCクラッシャーズを
接戦の末にかわしたRed Eagles 兵庫(関西2位)の対戦。
レインボー・ソルジャーVS奈良クラブ・ビクトリーロード戦を撮影していたので
前後半通して観戦することができませんでしたが、
Bコートと同じく、試合は大きな盛り上がりを見せていました。
試合は前半終了間際。Red Eagles 兵庫が19#内海恭平選手の1点で先行。
ここで印象的だったのは、両陣営のリラックスした表情でした。
大きな笑いもこぼれ、試合をのびのび楽しんでいるようです。
今大会通して、皆、試合を心から楽しんでいる様子がどの試合でも見られました。
すべての仲間とともに。ハイタッチでピッチに送り出していきます。
Nanchester United 鹿児島も、円陣を組んで気持ちを一つにします。
後半戦はNanchester United 鹿児島の10#東選手と、Red Eagles 兵庫の10#有田選手の
エース同士がマッチアップ。両者の意地が静かに、激しくぶつかり合います。
そして前半に先制点を叩き込んだ19#内海選手、後半戦も積極的に攻め込みます。
この試合、イエローカードが2枚出る荒れた展開に。
イエローカードはサッカーほど出ないだけに、試合の激しさを物語ります。
ギリギリの攻防。エース10#東選手が攻守にわたり、獅子奮迅の活躍を見せます。
Red Eagles 兵庫の急先鋒、4#上月一広選手と幾度も交錯します。
試合はこのままタイムアップ。前半の虎の子の1点を守り抜いたRed Eagles兵庫は、
相手に付け入る隙を与えない完封試合で、ついに決勝の切符を手にしました。
選手をたたえねぎらうコーチ。選手はコーチの期待に応え、安堵の表情。
勝利したRed Eagles 兵庫のメンバーを、笑顔で迎えるNanchester United 鹿児島の
ベンチスタッフ。最後まで気持ちの良い試合を見せてくれました。
決勝は奈良クラブ・ビクトリーロード VS Red Eagles 兵庫、関西勢同士の対決です!
———————-————————————————————————
準決勝 (B コート)RESULT
Red Eagles 兵庫(関西2位)1 VS 0 Nanchester United 鹿児島(九州1位)
————————————————————————————————
王者に何が起こったか
レインボー・ソルジャーとNanchester United 鹿児島の対決となった3位決定戦。
決勝進出は叶わなかったものの、メンバー5人で上位を目指してきた
Nanchester United 鹿児島。3連覇の可能性が潰えたとはいえ、
来年にむけて気持ちを切り替えておきたいレインボー・ソルジャー。
レインボー・ソルジャーの長いミーティングが続きます。
集中力を高めている様子が伝わってきます。
Nanchester United 鹿児島は気負いなし。肩の力が抜けた状態で試合に臨みます。
試合は序盤から激しい打ち合いに。前半6分、10#東選手のシュートが決まり
Nanchester United 鹿児島が先制。
準決勝に引き続きビハインドを追う展開となったレインボー・ソルジャー、
焦りはないものの、確実に攻勢を強めていきます。
そして10#東選手のゴールからわずか3分後、6#内橋選手が執念のこもったゴール。
GKとポストのわずかな隙間をこじ開けるような破壊力のあるシュートを決め、
ゲームを1-1のタイに。ディフェンディングチャンピオンの意地を見せつけます。
試合は後半に入ってもフルスロットル。
ゴールゲッターの6#内橋選手を封じに行くNanchester United 鹿児島。
試合が激しくなってくるにつれ度々試合が止まり、審判から指導が入ります。
そして後半9分、11#塩入選手の振り抜いたシュートはレインボー・ソルジャーの
ゴールを割り、ついに勝ち越し点をマーク。
11#塩入選手は値千金のゴールにこの表情を見せます。そして沸き立つベンチ!
自陣ゴールをひたすら守りきる13#野下小百合選手。高い集中力!
攻め続けるレインボー・ソルジャー。意地のぶつかり合いです。
10#北沢選手のシュートを11#塩入選手がブロック!
ペナルティエリアへ突進する8#吉沢選手。10#東選手がそれを阻みます。
そして試合はこのまま終了。3位はNanchester United 鹿児島、
昨年王者のレインボー・ソルジャー、失意の4位となりました。
試合を終え、互いに称え合う両チーム。
王者に何が起こったのか、今大会まさかの4位に終わったレインボー・ソルジャー。
しかし意外なことに、4位という予想外の結果に終わったことへの苦さよりも、
大会を終え安堵したような選手たちの表情が印象に残りました。
もしかしたら、3連覇の重圧から解放されたのだからとにかく試合を楽しもう、
という気持ちで3位決定戦に挑んでいたのかもしれません。
Nanchester United 鹿児島は、優勝候補を次々撃破したことで成長に手応えを得て、
またレインボー・ソルジャーは来季に向け新しい気持ちで、再びそれぞれのホームへ
戻ります。来年はどのような試合を見せてくれるのか、とても楽しみになりました。
———————-————————————————————————
三位決定戦 RESULT
Nanchester Unites 鹿児島(九州1位)2 VS 1 レインボー・ソルジャー
(北海道・関東2位)
————————————————————————————————
平均年齢対決!最年長VS最年少!
決勝前に、1回戦で敗退したチームとのエキシビションマッチが2試合行われました。
1試合は、敗退チームの混成メンバーVS SONIC〜京都電動蹴球団。
そしてもう1試合はERST 広島M.S.C とスクラッチ香川の1戦。
パラキートは昨日アクシデントでほとんど撮影できなかったので、
再びERST広島を追いかけることにしました。
監督兼選手である10#中野選手。キャプテンシーの光るシーンが随所に見られました。
試合前のシュート練習。10#中野選手の厳しく優しい指導の元、念入りに行われます。
試合前には、20#シンヤ選手に指示を与えます。分かりやすく、丁寧に。
対するスクラッチ香川。参加16チームの中でも、年齢層の比較的高いメンバーで
構成されています。監督は選手も兼任する25#宮脇孝芳選手。
四国ブロック予選はレッドホエールズ(高知)を下して勝ち上がりました。
数少ない四国勢のためにも、四国ブロックとしての痕跡を残しておきたい今大会です。
しかし、年齢が5倍も離れている相手と組するスクラッチ香川にとって、
ERST広島はやりにくい相手であることは間違いないはずです。なぜなら…。
試合前の挨拶時から審判たちはすでにこの表情…。
スクラッチ香川の面々は、なんとなくアウェー感を感じていたかもしれませんね。
観客も私もメロメロだったので無理もないですのが、公正な判定を期待します!
かくして試合は始まりました。
年齢的にも、3人VS4人と人数的にも優位に立つスクラッチ香川。
しかし、コントロールに精彩を欠き、思うようにボールがつながりません。
対するERST広島は、10#中野選手が攻めに守りにと大奮闘。
小学生コンビへの指示をしながらの、まさに一騎当千の活躍!!
試合中も常に二人から目を離しません。見守りながら、時には鋭く指示を与えます。
もちろん小学生コンビも大奮闘。ベンチからの指示を受けながら、
忠実に役割をこなしていきます。
鋭いパスやシュートが持ち味の5#堀家芳文選手も思うように仕事ができません。
厄介な司令塔25#宮脇選手へは徹底マンマーク。
ベンチからの指示は「25番!!その赤い人について!!赤い人!!」
食らいつく10#シンヤ選手。「赤い人」25#宮脇選手、たじたじですw
食らいつく!
とにかく食らいつく!
25#宮脇選手、前線の5#堀家選手へ絶妙なパス。それを5#堀家選手が強烈なシュート!
公式戦2試合目の12#ケン選手がファインセーブ!!!
周囲の黄色い歓声(ベンチからの指示)とは裏腹に、手に汗握る展開です。
途中審判からもルールについての説明を受ける12#ケン選手。一つ一つが勉強。
審判も公正な判定。職務を実直に全うしていきます!
12#ケン選手のバックアップで10#中野選手も安心して前へあがることができるように。
エース10#中野選手、相手が攻めあぐねている状況を決して見逃しませんでした。
なんと立て続けに大量3ゴールを挙げ、守備で貢献する二人に報います。
予想外の劣勢に重苦しい表情のスクラッチ香川ベンチ。
二人の守備のおかげで自由に動き、決定機を逸しなかった10#中野選手。
その決定力から日本代表に選ばれたワールドクラスの片鱗を見ることができました。
大量のアドバンテージを手にしたERST広島。
展開が少し楽になりましたが、まだまだ気は抜けません。
後半からは、GKポジションをしっかり守っていた12#ケン選手も攻撃に加わります。
20#シンヤ選手にアクシデント発生!「止まった!」大声でベンチに訴えます。
ベンチに緊張が走った次の瞬間「あ、動いた…(^^」。
これにはベンチも審判も、相手陣営すらも大爆笑。場の雰囲気が和みます。 このままでは終われないスクラッチ香川、攻撃に転ずるシーンが増えます。 10#高島正貴選手の積極的な駆け上がり。しかしシュートに持ち込めない! 26#近藤進選手のシュート!しかしこれもゴールをそれていきます。 そして試合は終わりの笛を迎えます。軍配は3-0でERST広島M.S.Cに上がりました! 皆が気力を振り絞った30分間。ERST広島に胸を貸す形になったものの、 終始自分たちのペースに持ち込むことができず決定機に見放されたスクラッチ香川。 試合への入りにくさ、やりにくさは多分に影響したかもしれません。 遠慮もあったのか、ERST広島へ強く当たりに行けなかったようにも感じました。 しかしこれは勝負事。 数的、経験的な有利を生かせなかったことは今後のチームの成長にとって課題ですが、 それは飛躍的にチームが強くなるための、大きなチャンスにもなるはずです! 険しい表情の10#高島選手。目線の先のスコアボードを見据えて何を思う…。 一方、試合を終えてベンチを見やり、ホッとした表情の20#シンヤ選手。 終始張り詰めた表情だった彼も、この時ばかりは子供らしい表情へ戻りました。 応援してくれた観客席にぺこりと挨拶。もちろん実力での勝利ですが、 その可愛らしさにはほとんどの観客が虜になっていました。 彼らのひたむきなプレーが話題性十分だったことはもちろんのことですが、 今大会、未来を担う若い選手が活躍したことは、長期間での成長の展望が 比較的難しい電動車椅子サッカー界において、とても大きな収穫になりました。 彼らが電動車椅子サッカーに情熱を注ぎ続け、それに続こうとする選手たちが 新たに生まれてくること、電動車椅子サッカーを通して生きがいを見つけ、 ポジティブになっていく人が増えることを願ってやみません。 さあ、いよいよ残るは決勝の1試合のみ!! ついに日本一が決まります。 ———————-———————————————————————— エキシビションマッチ Aコート RESULT 混成チーム 0 VS 0 SONIC〜京都電動蹴球団(関西5位)※引き分け延長なし順位つかず エキシビションマッチ Bコート RESULT ERST広島M.S.C 3 VS 0 スクラッチ香川(四国1位)※順位つかず ———————————————————————————————— ⑦へ続く