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横浜2チームの激突!
初戦で横浜クラッカーズが当たったのは、
奇しくも同じ横浜で常にしのぎを削り合う同郷のライバル、横浜ベイ・ドリーム。
かつては同じチームだった両雄は、青と赤に分かれてからも
互いに切磋琢磨してきました。
その両チームが初戦で当たるという、観る側にとっては絶好の、
そしてチームにとっては心境的に複雑な組み合わせになりました。
横浜クラッカーズにとっては勝手知ったる相手。とはいえ、それは相手も同じこと。
「相手としては与し易いが、気を引き締めないと足元をすくわれる」と
メンバーも話すとおり、日本選手権では普段と全く違った力が作用します。
とりわけ、今回のレギュレーションは敗れても望みが残るリーグ戦ではなく、
敗戦した時点で上位進出の可能性が絶たれる、ノックアウト形式(トーナメント戦)。
仮に初戦で敗れることになれば、順位決定戦も行われない、かなり過酷な条件です。
もちろん両チーム共、大阪まで来てたった2試合で帰郷するつもりはありません。
普段以上にミーティングに力の入るベイ・ドリームメンバー。
キャプテン9#加藤高明選手を中心としたチームです。
対する横浜クラッカーズメンバーも平野監督を囲み入念な打ち合わせ。
9月の関東大会から新キャプテンに就任した9#紺野勝太郎選手。期待がかかります。
試合前の計測。時速6kmの規定に照らし、速度に不正がないか一人一人確認します。
ちなみに時速6kmの規定は道路交通法を元に設定されています。
これを超えると道路交通法違反になるんだそうです。驚きの事実。
もちろん体育館は公道ではないので、時速10kmで走っても捕まりません。
(ちなみに国際ルールでは時速10kmが基準)
計測も終わり、いよいよキックオフです。大勢のサポーターが見つめる中、
試合が始まります。
キッキオフ直後から主導権を得るためのボールの奪い合いが勃発。
競り合うクラッカーズ10#竹田敦史選手とベイ・ドリームの兼任監督6#中山佳孝選手。
その一瞬の間隙をついて横浜クラッカーズ17#永岡真理選手が開始早々のゴール!!
幸先の良い立ち上がりのクラッカーズですが、祝福しあうも緊張を解かない永岡選手。
出鼻をくじかれる形になったベイ・ドリームは、10#高林貴将選手、9#加藤選手を
中心に反撃を試みます。しかしクラッカーズ10#竹田選手をはじめとした
硬い守備に押され、次第に押し込まれる展開になっていきます。
ボールを運ぶ10#高林選手と、そのコースを消しに行く10#竹田選手。寄せが早い!
対するクラッカーズは17#永岡選手がフリーキック・コーナーキックからパスを供給、
7#三上勇輝選手がGKのポジションからシュートを放ちます。
横浜ベイ・ドリームは20#木下絵里選手がゴール際で守備に大奮闘。
シュートを抑え、クラッカーズの9#紺野選手の猛攻をなんとか押さえ込みます。
途中、10#竹田選手と7#三上選手がGKをスイッチ。すると試合が動きます。
前線にあがった7#三上選手がパスワークから追加点!
さらに立て続けに3点目をたたき込み、3-0。試合はワンサイドゲームの様相に。
このまま前半が終了し、クラッカーズは堅実な守備と決定力で
有利な状況に立ちました。
俄然盛り上がるサポーター。出場が叶わなかった選手たちも応援しています!
ハーフタイム時には、互いにポジションや戦術の確認を行います。
前半終了間際に立て続けに2点決めた7#三上選手ですが、
奢ることなく、チームメイトへ声をかけ続けます。その肩には星が二つ。
優勝を勝ち取ることへの気持ちがその肩に宿っているように見えました。
クラッカーズの勢い止まらず
後半に入ってもその勢いが衰えないクラッカーズは、
再三チャンスを作り、ベイ・ドリームのゴールを脅かします。
ベイ・ドリームのゴール間際まで攻め込む17#永岡選手。
20#木下選手もどんどん食らいついていきます。
後半から入った11#中山環選手。惜しいシュートを放ちます!
ベンチワークも活発に。まず1#山田晴香選手を投入。チャンスを果敢に攻めます。
続いて8#内田裕貴選手を投入。全員サッカーで効果的に攻めていくクラッカーズ。
組織的な守りでチャンスをうかがうベイ・ドリーム。
しかしクラッカーズの攻撃を止めるのが精一杯な状況になっていきます。