- 電動車椅子サッカー
怒涛の3試合同時キックオフ!
26チームともなると2日間で27試合。総トーナメント制と言っても、コート3面をフル稼働しなければこなせない超ハードスケジュールです。時速10kmのMAX10、時速6kmのPOWERFUL6が同時平行で行われ、常に3試合が動きます。カメラマン泣かせなこの怒涛のスケジュールに、パラキートも大きなレンズとカメラを持って右往左往…。(パラキートブログでは時系列ではなく、2カテゴリに分けてレビューしますので、時間的なズレについては何卒ご了承ださい)それでは、POWERFUL 6の1回戦8試合、駆け足でレビューしていきましょう。
POWERFUL 6 1回戦第1試合 Infinity侍(佐賀県) vs FINE(東京都)
日本選手権初出場となる佐賀のInfinity侍と、活動20年となる東京都のFINEの対決となった初戦。
挑戦する立場のInfinity侍は、序盤から果敢に攻めます。一方、3名での出場となったFINE、薄紅色の車体を操る17#山上昌子選手は変わらぬアグレッシブさを見せ、9#平野貴史選手も1.5人分の動きでInfinity侍と渡り合います。
試合は前半18分に29#熊本陸子選手がゴールをこじ開け、日本選手権初ゴールをマーク。
しかし、その直後に9#平野選手が取り返すという白熱の展開に。
後半も互いに決定機を作らせないまま試合は終了し、なんと開幕戦からPK戦となりました。ここでも互いに譲らずサドンデスに突入するも、この試合FINEが制して2回戦にコマを進めました。
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POWERFUL 6 1回戦第2試合 MAX(三重県) vs Safilva(北海道)
三重の古豪MAXとパラキートも注目のSafilvatの対決。Safilvaは前半から18#竹山侑希選手と8#桜庭康洋選手を中心に攻勢を仕掛けます。
特に8#桜庭選手の機動力は目を見張るものがありました。前半15分にその8#桜庭選手が1点を先制。
後半にもMAXのオウンゴールを誘い追加点をマークしたSafilvaは、日本選手権での初勝利を2-0というスコアで記録。クラブの歴史を塗り替えました。
MAXは序盤押しこむシーンもありましたが、結局得点を奪うことができず、悔しい1回戦敗退となりました。
2回戦、SafilvaはFINEとの対戦となり、再び古豪を相手にする難しい組み合わせとなりました。
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POWERFUL 6 1回戦第3試合 ファインフレンズ vs TAMA猿(東京都)
久しぶりに日本選手権の舞台に帰ってきたファインフレンズ、対するは初の日本選手権出場に意気上がるTAMA猿。試合はTAMA猿が前半14分に先制するも、そのわずか1分後、ファインフレンズ4#西田卓司選手が取り返す展開に。
しかし喜びもつかの間、2分後には再びTAMA猿の10#長嶋哲矢選手がこの日2点目のゴールで突き放します。
途中、TAMA猿キャプテン5#東弘樹選手がマシントラブルを起こすアクシデントも。リカバリーの間、3人でのプレイを余儀なくされるTAMA猿。
数的有利に立つファインフレンズが攻め込み、シーソーゲームの予感も漂わせる中、後半18分に8#石井伸一選手が試合を決定づける3点目を決め、ファインフレンズはここで力つきます。途中アクシデントに見舞われながらも、日本選手権初出場にして初勝利を挙げたTAMA猿。次戦は、このままの勢いなるか。
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POWERFUL 6 1回戦第4試合 大阪ローリングタートル(大阪府) vs BLACK HAMERS(埼玉県)
電動車椅子サッカー界では最も歴史あるチーム、大阪ローリングタートル。そしてマリノスカップでは3人で優勝のBLACK HAMERS。パラキートも以前お邪魔させていただいた、勢いのあるチームです。
実力伯仲、優勝に近い位置につける2チームの激突は、互いに決定機を作らせない互角の好勝負。キャプテン同士のマッチアップも見応え十分!
しかし後半2分、大阪ローリングタートル39#宮川大輝選手のセットプレーを6#宮脇以幸選手がねじ込み、均衡が崩れます。ハイタッチを交わす両選手。
BLACK HAMERSも10#石井佑季選手、9#長澤優希選手とともに反撃を試みるも実らず、結局1-0のまま試合は終了。
古豪・大阪ローリングタートルがその貫禄を見せ付け、東京都のTAMA猿が待つ2回戦に進出を果たします。
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POWERFUL 6 1回戦第5試合 スクラッチ香川(香川県) vs SFCデルティーズ(静岡県)
地元の利を生かしたいSFCデルティーズと、昨年の大会では3人(うち小学生2人)のERST広島M.S.Cに悔しい敗北を喫したスクラッチ香川の顔合わせとなったこの試合。
満を持して臨んだスクラッチ香川ですが、開始1分にSFCデルティーズ主将、2#石脇将太選手のゴールを許し、出鼻をくじかれてしまいます。2#石井選手は攻守にわたり獅子奮迅の活躍!
スクラッチ香川は5#堀家芳文選手らを中心に、機動力に勝る2#石脇選手を封じ込めますが、SFCデルティーズに虎の子の1点を守りきられ0-1の惜敗。
SFCデルティーズは、3#長谷川幸三選手らの奮闘もあって、地元・静岡での戴冠を目指して、好発進です。
一方、素晴らしいガッツを見せたスクラッチ香川。この悔しさをバネに、来年は更に手強くなるに違いありません。
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POWERFUL 6 1回戦第6試合 SONIC 〜京都電動蹴球団(京都府) vs ウイニングフェニックス(千葉県)
過去三回の出場を経験し、昨年に引き続き日本選手権の舞台に立ったSONIC。
対するは2年ぶりの日本選手権となった千葉のウイニングフェニックス。
途中、5#青木亮太選手のスティックが外れるトラブルに見舞われるも、SONIC55#南部静耶選手が大爆発。3人の状況でさらに2点を加え、7分間のうちにハットトリックを決めます。
一気に突き放されたウイニングフェニックスは、後半に18#益子千枝選手が1点を返すも、万事休す。
初戦のプレッシャーに呑まれることなく全力を出し切ったSONIC〜京都電動蹴球団が、2回戦進出を果たし、静岡のSFCデルティーズとの対戦が決定しました。
—————————————————————————————————-POWERFUL 6 1回戦第7試合 兵庫パープルスネークス(兵庫県) vs DKFBCディスカバリー(愛知県)
7月に愛知県で開催された「あいち電動車椅子サッカーアカデミー」でも顔を合わせた両者。パラキートも特別な想いで試合を見届けました。
愛知ではDKFBCディスカバリーが堅守を見せ、1-0と僅差で兵庫に肉迫しました。しかしここは日本選手権。しっかりと大会に標準を合わせ、別のチームの顔となった優勝候補の前に、DKFBCディスカバリーは苦戦を強いられることに。
99#名田賢吾選手、9#松原和彦選手を中心に前半に3点、後半2点を奪われ、後半に23#広瀬光博選手が1点を返すのがやっとの状況。結局、兵庫パープルスネークスはこの試合を5-1で制し、DKFBCディスカバリーを一蹴。つけ入る隙を与えませんでした。
敗れたDKFBCディスカバリーの2#池田恵助選手が、劣勢のなか迎えたハーフタイムにポツリとつぶやいた「明日も試合がしたい」の一言。そんな彼の想いに呼応するように後半23#広瀬選手がもぎ取った1点は、勝ち負けを超えて貴い1点になったかもしれません。
—————————————————————————————————-POWERFUL 6 1回戦第8試合 廣島マインツ(広島県) vs ポケットファイトFC(茨城県)
ERST広島M.S.C、アフィーレ広島PFCと並ぶ、電動車椅子サッカー王国・広島からの第三の刺客、廣島マインツ。黄色いユニフォームの廣島マインツは、時速6kmカテゴリで広島県に日本選手権初タイトルをもたらすべく、茨城のポケットファイトFCと対戦。
序盤から猛攻を仕掛けた廣島マインツは、3#瀬戸優磨選手、22#下手一将選手、20#向井淳選手の3人で前後半一挙4点を奪取。
一矢報いたいポケットファイトFCですが、結局堅い壁を崩すことができず。
初めての日本選手権がほろ苦い経験となったポケットファイトFCは、来年の日本選手権でこの雪辱を晴らしたいところ。